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【取材ノート:神戸】「3連勝」でついにトップハーフ!直近・町田戦の勝点3は価値が高い

2025年4月23日(水)
明治安田J1リーグは10~12試合を消化し、暫定首位に京都が立っている。2位は柏、3位に鹿島と続くが、1位から8位・ヴィッセル神戸までの勝点差はわずか「3」。11位・町田までもわずか「4」だ。シーズンが進むにつれて混戦模様が深まっている印象だ。

開幕ダッシュに失敗した神戸だったが、ここ3試合で勝点9を積み上げ、ようやくボトムハーフから抜け出した。しかも、東京V、川崎F、町田という勢いのあるチームを下したことで、チームにも自信が芽生えている。この3連勝はかなり大きなものと言えるだろう。

特に直近の町田戦は価値が高い。試合は、井手口陽介のクロスを相手がミスしてオウンゴールとなり、その1点を神戸が守り切るという展開。内容的にはどちらが勝ってもおかしくはなかったが、この試合に関しては勝利という結果に大きな意味があった。
この試合、町田から期限付きで途中加入したエリキは契約の関係で出場できなかった。かなり好調だっただけに神戸としては痛手だった。
とはいえ、これは加入時点で想定できたこと。むしろマテウス トゥーレルの欠場をチームでカバーし、無失点に抑えた点に価値がある試合だった。


川崎戦でおそらく負傷したトゥーレルは、その試合で今季初ゴールを挙げるなど存在感を放っていた。守備では対人の強さ、スピードを活かしたカバーリングなどで安定感をもらたしてきた。存在が大きいだけに、抜けた穴も大きいと予想された。
この日、トゥーレルの代わりに左CBに入ったのは173㎝の本多勇喜だった。対峙するのは194㎝のオ セフン。町田としてはこのエアバトルでイニシアチブを握りたかったのだろうが、本多が身長差20cmを身体能力でカバーし、町田の思惑を狂わせた。
試合後、本多は「(町田は)本当にロングボールが多いチームですし、そこで負けたらチームとして成り立たない。そこは僕自身の役目だと思ったし、チームが前に行けるように、比重を後ろに置かないようにできたと思います」と試合を振り返っている。
また、こうも話もしている。
「タカ(扇原貴宏)としっかり良い関係性を作って、タカにもしっかりブロックしてもらっていた」
つまり、チームとしてトゥーレルの穴を埋めたということだ。

昨季の神戸はチーム一丸でリーグ連覇を成し遂げた。総力戦で勝利した町田戦は、「王者・神戸」が戻ってきたことを印象付ける一戦だった。

Reported by 白井邦彦