
3月21日、Jリーグは選手の追加・変更・抹消の発表を行ない、その中で、RB大宮アルディージャの追加選手登録も発表された。この日発表されたのは、下部組織所属の選手のままJリーグ公式戦にも出場できる2種登録の選手5名。クラブの将来を担ってくれるであろう若き素材たちが、今の時点でプロの世界でどれだけ通用するのか、そんな一端が見られる“かもしれない”登録制度だけに、正直なところ、登録されるだけで非常にワクワクさせてもらっている。
今年は5人が登録された。例年は2~3人の年が多く、コロナ禍で7人が登録された2022年を除けば人数の多いシーズンと言えるだろう。2種登録イコール翌年のトップチーム昇格というわけではないが、好素材であることに間違いはない。プロの試合に出してもいい、そんな素材が5人もいると考えれば、楽しくなるのも当然ではないか。
3月26日に行なわれたJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド1回戦のいわきFC戦では、さっそく長身センターバックの酒井舜哉がベンチ入りを果たした。1人退場となる数的不利の中、試合出場の機会は巡ってこなかったが、熱戦を目の当たりにして試合後のミックスゾーンでも興奮冷めやらぬ様子。「10人で、最後はPKでも勝ち切るリバウンドメンタリティーは、まだ僕たちユースにはないところ。こういうトップの人たちのメンタリティーをユースでも自分たちから発信して、強いチームを作れるようになったら、ユースから上がってもすぐにトップで通用するんじゃないかなと思います」と、その熱を今度は自分のチームに持ち帰りたいと話していた。こうした循環が行なわれれば、それこそ2種登録制度の大きなメリットである。
今回登録されたのは酒井の他、オールラウンドなストライカーである平家璃久斗、左足でゲームを作る神田泰斗、テクニックに優れたMFエドワード真秀、左利きのアタッカー小林柚希。早ければ4月16日、ルヴァンカップ1stラウンド2回戦FC東京戦や、その先には天皇杯もある。登録されるだけでなく試合のチャンスをつかんで、さらに大きな成長機会としたいところだ。
丹野友輔U18監督は、「別にここ(U18)で勝つことが目的じゃない。どれだけプロの選手を輩出できるか、カテゴリー別の代表選手を送り出せるか、そこが一番重要。2種登録で上でやるチャンスがあるんだったら、上でどんどんやった方がいいと思います」と語る。これまで2種登録で実際に公式戦でプレーできたのは、2023年の市原吏音、2020年の柴山昌也(現セレッソ大阪)、そして2010年の宮崎泰右氏と意外に少ない。トップチームへの練習参加でどんどんアピールし、チャンスをつかんで上を目指してほしい。
Reported by 土地将靖