Js LINK - Japan Sports LINK

Js LINKニュース

【取材ノート:長野】J1相手に奮闘した冨田康平。京都時代の“練習生”と対峙

2025年3月21日(金)


「こいつにだけは点を取らせないというつもりでやっていた」

冨田康平が対抗心を燃やしたのは、木村勇大だ。J1屈指のパワフルストライカーを前に、106分間にわたって食らいついた。

AC長野パルセイロは3月20日、JリーグYBCルヴァンカップで東京ヴェルディと対戦。スコアレスで迎えたPK戦の末に敗れたものの、カテゴリーが2つ上の相手に奮闘した。


試合は14分にセンターバックの大野佑哉が負傷交代。ゲームキャプテンを失う非常事態の中で、急きょ投入されたのが冨田だった。

「あんなに早く出番が来るとは思っていなかった」――そう本人は吐露したが、心の準備はできていた。

投入から2分後、相手のロングフィードに対して木村との競り合い。木村は185cm、冨田は177cmと体格差があるものの、体をピタリと寄せて自由を与えず。その後も簡単には起点を作らせない。

「京都のときに練習参加で来ていた選手で、特徴もよく分かっている。自分が京都に在籍していたときは練習生だったので、負けられないなと…」

京都サンガF.C.の“後輩”に食らいつき、120分間を終えてクリーンシート。PK戦でも6人目のキッカーとして冷静に決めるなど、ピンチヒッターながらも十分な役割を果たした。

投入直後に木村とハイタッチし、ミックスゾーンでも「またね」と手を振った冨田。エースとの対決を存分に楽しんだ様子だった。

Reported by 田中紘夢