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【取材ノート:長野】貫いたハイアラート。今年の大野佑哉は一味違う

2025年2月18日(火)


「今年のパルセイロは違います。俺がキャプテンだからです!」

試合後、大野佑哉は拡声器を用いてゴール裏に叫んだ。

明治安田J3リーグ開幕戦。AC長野パルセイロは敵地に乗り込み、テゲバジャーロ宮崎に1-0と競り勝った。苦しい時間のほうが長かったが、センターバックの大野佑哉を中心に前半の1点を守り抜いた。


プロ入り後初となるゲームキャプテンに就任した大野。阪南大学時代以来となる大役を任され、左腕に腕章を巻いて開幕戦へ。188cmの長身FW橋本啓吾を抑えながら、スピードを生かしてカバーリングにも奔走する。サイドからも幾度となくクロスを送り込まれたが、ヘディングで跳ね返し続けた。



「チャレンジ&カバーもスムーズにできていた。そんなにネガティブにならずに守れたけど、GKの(松原)颯汰がファインセーブを何個もしてくれた。そこには助けられたので、もう少しピンチを未然に防げたら」

後半には相手のシュートを防いでガッツポーズ。まさに獅子奮迅の活躍ぶりで、無失点勝利に貢献した。GK松原とともにMVP級の活躍と言えるだろう。

「なかなかうまくいかないところも多いけど、こういう成功体験があると自信にもなる。キャプテンだけど、まだまだみんなに支えられてやっている立場だと思う。もっと引っ張っていけるようにならないといけない」

今年で29歳。プレーヤーとして脂の乗っている時期だ。始動から意識を入れ替え、それを後押しするかのように役職も与えられた。守備のアラートさもそうだが、インタビューの声も力強さが増したように思える。長野の誇り高きキャプテンとして、踏み出した一歩は大きい。

Reported by 田中紘夢