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【取材ノート:千葉】乾貴哉から託された背番号28で失点を阻止し、ゴールを狙う河野貴志

2025年1月30日(木)


昨シーズン、J1昇格プレーオフ進出を逃した一因に失点数の多さがあったジェフユナイテッド千葉。守備力強化のため、今シーズンに加入した1人がブラウブリッツ秋田から完全移籍で加入したセンターバックの河野貴志だ。河野は1月11日の新体制発表会見で、「J1昇格を達成するためにどんなことが必要だと個人的に考えているか」という筆者の質問に次のように答えた。

「ジェフは攻撃力が高いですけど、昨年のデータで見ると失点がちょっと多いと思うので、まずは最後のところでしっかり体を張るとか相手に寄せるという守備の部分を改善していけば、自ずと結果はついてくると思います。そういうところに全力で取り組んでいけたらと考えています。」

その一方で、筆者の質問の前に出ていた「フクアリでサポーターに見てほしいセールスポイント、個人的な目標を教えてほしい」という質問にはこう答えていた。

「空中戦の部分を見ていただけたら嬉しいです。今年は5ゴール決めたいです」

昨シーズンの千葉は、それ以前のシーズンに比べるとセットプレーのチャンスを有効に生かせず、セットプレーからの得点数を思うように伸ばせていなかった。河野は明治安田J2リーグで昨シーズンは3得点、2023シーズンは2得点。2023シーズンの千葉との対戦の第4節では、ロングスローからヘディングシュートを決め、チームを1-0の勝利に導いていた。ゴールでもチームに貢献したいという強い思いがあっての発言かと思われたが、新体制発表会見後の囲み取材で意外な真相が明かされた。


「去年の目標が5得点で、結果は3点しか取れなかったので。でも、『5点取ります』って言ったんですけど、言ったあとに、『俺、ディフェンスの選手だよな』と思って。自分の前に答えた(岩井)琢朗が『5得点と5アシスト』って言っていて、自分は『去年よりも失点を減らす』って言えばよかったなと思って、あとになって後悔しました(苦笑)。最初は『クリーンシートを20試合やる』と言おうと思ったんですけど、『20は少なくないか?』と思って。クリーンシート20試合は多いほうではあるんですけど。それで、まず『5点取る』って言ったら、そのあとの言葉が出てこなかったんです。もうそれで終わっちゃったみたいになって(苦笑)」

ちなみに、秋田では背番号が5だった河野だが、千葉ではすでに小林祐介が背番号5をつけており、千葉での背番号は28。28にした理由を囲み取材でこう明かした。
「僕はギラヴァンツ北九州時代に(かつて千葉に在籍していた)乾貴哉と一緒にプレーしていて、乾が千葉で28をつけていたということで、本当はクラブから違う背番号を勧められたんですけど、乾から「『28』をつけてくれ」と言われたので。千葉への加入が決まった時、乾にLINEで連絡したんです。乾は千葉では怪我もあってあまり活躍できなかったということで、乾の思いも僕が背負って頑張ろうという気持ちで、次の日に『28でお願いします』とクラブに言いました。この話はまだ誰にも言っていなかったです」

千葉は秋田との対戦成績が1勝1分6敗と良くないが、実は秋田にとって千葉は対戦相手としては「一番嫌と言ってもおかしくないくらいの相手だった」(河野)という。

「でも、僕が来たので秋田を止めて勝つしかないでしょ、と思っています。だから、(秋田との対戦は)逆に楽しみです。そのためにも自分が試合に出ないといけないと思います。秋田はとにかく自分たち次第の戦いをするというか、肉弾戦が続くと思うんですけど、そういうところで負けないことがすごく大事になってくると思います」

秋田戦で河野が攻守でどのように活躍するのか。そして、シーズンを通して千葉がクリーンシートを何試合できるのか、河野が何点取るのか、注目したい。

Reported by 赤沼圭子