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単なる契約形態の違いだけなのかもしれない。だが、より厳しい環境に身を置くことで、自身の成長を促そうとする者もいる。
2024年12月27日、RB大宮アルディージャは、泉柊椰の完全移籍での加入を発表した。期限付き移籍でチームのJ2昇格に大きく貢献したのが評価されたのは言わずもがな。ファン・サポーターからも「大宮に残ってほしい」という声は多く聞こえてきており、泉自身も「僕の移籍で喜んでいただけたならすごくうれしい」と話すが、実は大きな決断でもあった。
「僕としてはヴィッセル神戸の後ろ盾がなくなったという感覚。これまでは期限付きなので、神戸のサポートも受けながら大宮で、という考え方でした」
保有権を残しながら他チームでプレーする期限付き移籍は、将来的には保有元での活躍を期待されるもの。当然移籍期間中も選手に対するフォローはある。J1リーグ2連覇、天皇杯との2冠を果たしたビッグクラブである神戸からの完全移籍は、その支えを一切断ち切ることになるが、泉はあえて選択した。
「自分の中では、環境にこだわるというのがポリシーとしてあるので、後ろ盾みたいなものがないほうが、より成長できると思いました。覚悟を持ってやるためには完全移籍かなと思ったので、こういう形になりました」
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保有権を神戸に残したまま、引き続き期限付き移籍を延長するという選択もあったと言うが、退路を断った。それは自身のさらなる成長、そして海外でのプレーをも見据えたものだ。大宮がレッドブルグループのクラブとなったことは、その決断を後押しした。
「現代サッカーがどんどん変わってきている中で、(大宮は)海外が身近にあるクラブだと思っています。現代の一番トップのところでやっていて、その情報がすでにデータベースとしてある。そうしたクラブが同じグループ内にあるので、より世界を意識できる」
そのためには、間もなく始まる新シーズンで、昨年を超えるプレーが求められる。
「自分のスケールを高める。いい意味でも悪い意味でも、自分の個がチームの得点数を決めるポジションだと思っています。新加入選手ともコミュニケーションを図りながら、より自分の幅を広げるというか、チームの攻撃の起点としての種類を高められるように、こだわってやっていきたいです」
今季終了後に関わる皆が笑える移籍となるよう、その活躍に期待したい。
Reported by 土地将靖