「超・超・超攻撃的エンターテイメントサッカー」と「J1昇格」を目指す今季の藤枝に、頼もしい新戦力が加わった。清水、磐田と静岡の2大クラブでプレーしてきた経験豊富なMF、金子翔太だ。
1月20日(月)に電撃的に加入が発表されて、その日から練習に合流し、翌日(21日)の練習試合(vs栃木シティ)にも45分ほど出場した。彼自身は他クラブの練習に参加するなどして身体はある程度作っており、しっかりと動けている姿を見学に訪れたサポーターの前で見せていた。
「藤枝にマッチする選手だと思っています。狭いスペースでもターンしてゴールに向かえるし、受けること、ボールを扱うことが得意な選手。なおかつハードワークできるし、チームのためにという献身性まである。そして経験もあるし、昇格を経験している。その力をプレーだけでなく言葉でも発信してほしいという意味もあって獲得しました」
予算の面も含めて藤枝にとっては高いハードルだったが、条件面も何とか折り合いをつけて、鹿児島キャンプ直前で獲得に至った。
金子自身も「須藤監督のブレないビジョンがあって、ここ数年ずっと同じ攻撃的スタイルでやっていて、僕自身もジュビロで対戦しているので、藤枝のサッカーの面白さ、強さというのは理解しています。それも理由のひとつですし、須藤監督と話したときに、僕のことを僕以上に理解してくれていて、本来持っている力を出してほしいと言ってくれました。話したのは10分ぐらいでしたけど、監督の言葉が本当に響いて、この人の下で自分も成長したいと強く思って決断しました」と振り返る。彼と須藤監督のサッカーに対する想いは、一致する部分が多いようだ。
また、静岡県で3クラブ目になることに対しては、次のように語る。
「静岡から離れたくないというわけじゃないですが(笑)、県内のチームにこうやって自分を評価していただいているのは本当に感謝していますし、当然自分も愛着がある県ですし、また静岡でプレーできるのは嬉しいです」(金子)
当然そこには、静岡のチームが志向するスタイルと彼の特徴がマッチしているという理由もあるはずだ。
「近年はどこかもどかしいシーズンが多かったし、昨年は14試合しか出てないし、自分の中にはもっとやれるという感覚はあった中で、なかなか試合に出られなかったところがありました。藤枝で昇格をするためには、僕自身の成長は必要不可欠ですし、期待も大きいと思うので、結果で自分の価値を証明するしかないですね」(金子)
経験を生かして周囲を牽引するという須藤監督が求める面に関しても、非常に前向きに考えている。
「チームとして全員の底上げが本当に大事で、 藤枝の選手たちの能力が一回りも二回りも上がってくれば、僕にも還元してもらえると思います。だから僕にも彼らにもプラスになるような声かけやプレーを出していきたいし、アドバイスもしたいし、逆に彼らから刺激を受けることもあるだろうし、そういう相乗効果を出せれば伸びしろはすごいあると思うんですよ。下から上がってきた選手もたくさんいて、彼らに上の景色を見せたいという気持ちもあるので、自分の経験が生かせることがあれば伝えていきたいと思います」(金子)
また、バリスタ並のコーヒー通としても知られる金子は「キャンプに行ったら僕がブレンドしたコーヒーをみんなに振る舞いたい」と言う。コミュニケーション能力も高く、チームに溶け込むのも早そうだ。
選手たちとチームが成長していくためにも、本当に頼りになる選手が加わったことは間違いないだろう。そのうえで金子は、当面の目標として開幕ダッシュに焦点を当てる。
「若い選手が多いので、序盤に勝っておかないと、どうしても自信をなくしてしまいがちになると思います。だから序盤にしっかり勝てるように準備したいですし、藤枝の一員としてジュビロと真剣勝負(第15節で対戦)して勝ちたいと思います」(金子)
自分自身がもう一花咲かせるためにも強い決意を秘める29歳のアタッカーが、藤枝にどんな相乗効果をもたらしていくのか。今季の楽しみがまたひとつ増えたことは、10分話を聞いただけでも十分に実感することができた。
Reported by 前島芳雄
1月20日(月)に電撃的に加入が発表されて、その日から練習に合流し、翌日(21日)の練習試合(vs栃木シティ)にも45分ほど出場した。彼自身は他クラブの練習に参加するなどして身体はある程度作っており、しっかりと動けている姿を見学に訪れたサポーターの前で見せていた。
藤枝スタイルにピタリとハマるプレーと献身性
金子の特徴については、静岡県のサッカーファンならある程度理解しているだろうが、それが藤枝には必要だと須藤大輔監督は以前から考えていた。「藤枝にマッチする選手だと思っています。狭いスペースでもターンしてゴールに向かえるし、受けること、ボールを扱うことが得意な選手。なおかつハードワークできるし、チームのためにという献身性まである。そして経験もあるし、昇格を経験している。その力をプレーだけでなく言葉でも発信してほしいという意味もあって獲得しました」
予算の面も含めて藤枝にとっては高いハードルだったが、条件面も何とか折り合いをつけて、鹿児島キャンプ直前で獲得に至った。
金子自身も「須藤監督のブレないビジョンがあって、ここ数年ずっと同じ攻撃的スタイルでやっていて、僕自身もジュビロで対戦しているので、藤枝のサッカーの面白さ、強さというのは理解しています。それも理由のひとつですし、須藤監督と話したときに、僕のことを僕以上に理解してくれていて、本来持っている力を出してほしいと言ってくれました。話したのは10分ぐらいでしたけど、監督の言葉が本当に響いて、この人の下で自分も成長したいと強く思って決断しました」と振り返る。彼と須藤監督のサッカーに対する想いは、一致する部分が多いようだ。
また、静岡県で3クラブ目になることに対しては、次のように語る。
「静岡から離れたくないというわけじゃないですが(笑)、県内のチームにこうやって自分を評価していただいているのは本当に感謝していますし、当然自分も愛着がある県ですし、また静岡でプレーできるのは嬉しいです」(金子)
当然そこには、静岡のチームが志向するスタイルと彼の特徴がマッチしているという理由もあるはずだ。
自分自身も再び大きく成長するために
もちろん彼の中にも、自分自身が成長し、力を証明したいという想いが強い。「近年はどこかもどかしいシーズンが多かったし、昨年は14試合しか出てないし、自分の中にはもっとやれるという感覚はあった中で、なかなか試合に出られなかったところがありました。藤枝で昇格をするためには、僕自身の成長は必要不可欠ですし、期待も大きいと思うので、結果で自分の価値を証明するしかないですね」(金子)
経験を生かして周囲を牽引するという須藤監督が求める面に関しても、非常に前向きに考えている。
「チームとして全員の底上げが本当に大事で、 藤枝の選手たちの能力が一回りも二回りも上がってくれば、僕にも還元してもらえると思います。だから僕にも彼らにもプラスになるような声かけやプレーを出していきたいし、アドバイスもしたいし、逆に彼らから刺激を受けることもあるだろうし、そういう相乗効果を出せれば伸びしろはすごいあると思うんですよ。下から上がってきた選手もたくさんいて、彼らに上の景色を見せたいという気持ちもあるので、自分の経験が生かせることがあれば伝えていきたいと思います」(金子)
また、バリスタ並のコーヒー通としても知られる金子は「キャンプに行ったら僕がブレンドしたコーヒーをみんなに振る舞いたい」と言う。コミュニケーション能力も高く、チームに溶け込むのも早そうだ。
選手たちとチームが成長していくためにも、本当に頼りになる選手が加わったことは間違いないだろう。そのうえで金子は、当面の目標として開幕ダッシュに焦点を当てる。
「若い選手が多いので、序盤に勝っておかないと、どうしても自信をなくしてしまいがちになると思います。だから序盤にしっかり勝てるように準備したいですし、藤枝の一員としてジュビロと真剣勝負(第15節で対戦)して勝ちたいと思います」(金子)
自分自身がもう一花咲かせるためにも強い決意を秘める29歳のアタッカーが、藤枝にどんな相乗効果をもたらしていくのか。今季の楽しみがまたひとつ増えたことは、10分話を聞いただけでも十分に実感することができた。
Reported by 前島芳雄