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「人が変わったのかな…」
イ スンウォンの変貌ぶりに対し、忽那喬司は驚きを隠せなかった。
韓国から高卒で来日して2年目。昨季は異国の地で戸惑いを隠せなかったが、今季は一転して表情が明るい。まさに人が変わったかのような姿で、チームに溶け込んでいる。
昨季に韓国の漢陽工業高校から加入。2024JリーグYBCルヴァンカップ 1stラウンド 第1回戦・徳島ヴォルティス戦でプロ初出場初ゴールを決めると、Jリーグデビューとなった2024明治安田J3リーグ第11節・ギラヴァンツ北九州戦でもアシストを記録する。公式戦7試合の出場にとどまるも、インパクトは絶大だった。
2年目の今季は“覚醒”が待たれる。同胞のGK金珉浩とパク スビンが揃って退団。日本語が堪能だった2人が抜け、実質的な通訳はいない。それでも昨季から日本語を勉強し、戦術も理解できるようになってきた。
イム ジフンの存在も大きい。水原三星ブルーウィングスから加わった19歳。イ スンウォンにとっては1学年下にあたり、学生時代の関わりもある。母国語で言葉を交わしつつ、時には彼の通訳としても振る舞い、互いに支え合う間柄だ。
ピッチ内外で環境に適応し、それが結果にも反映。一次キャンプの締めくくりとなるトレーニングマッチ・岳南Fモスペリオ戦では、ハットトリックを達成。このまま順調に進めば、開幕戦でのメンバー入りも夢ではない。
Reported by 田中紘夢