FC岐阜でプレーした昨シーズン、第37節・大宮アルディージャ戦で1ゴール、最終節のFC琉球戦で2ゴールを挙げる猛追でシーズン合計19ゴールを挙げ、FC今治のマルクス ヴィニシウスとJ3最多得点を分け合った。そして今シーズン、初のJ2昇格を果たしたFC今治に完全移籍で加入したことで、夢の2トップが誕生する可能性が出てきた。
「今治からのオファーは、もちろんうれしかった。良いクラブだと前から聞いていたし、やりがいのあるクラブだと思った。楽しみです」
昨年、自分の先を行くマルクス ヴィニシウスのプレーは、やはり気になるところだった。それが、今治のサッカーに間接的に触れることにつながる。
「(得点王を)争っていたので、『ああ、点を取っているな』という感じで見ていました。試合をフルというわけではないですが、今治のチャンスシーン、ゴールシーンはいろいろと」
だが今治の印象は、攻撃よりも守備が強いという。
「守備がしっかりしていて、全員でハードワークする。ひたむきに戦うと感じます」
昨年は岐阜のFWとして今治と向き合った。アウェイのアシックス里山スタジアムでの対戦は2-0(第5節)で完勝し、ホームで4-1と大勝した第34節では、自身も2ゴールを挙げる暴れっぷり。今治の強みも突くべきポイントも、よく知る。
「やはり(マルクス)ヴィニシウスと(ウェズレイ)タンキのブラジル人選手のイメージが強い。岐阜としては、そこを抑えながらチャンスをうかがう戦い方をして、勝利につなげました。いずれにしても、ヴィニシウスとタンキが強烈です」
今季からは、彼らが頼もしい味方となる。昨季は抑えなければならない敵の強みが、一転して自分のプレーの選択を増やす得難い“援軍”になるのだ。
「ヴィニシウスとタンキはフィジカルも強くて時間を作れると思うので、僕がサポートしながら動けば、かなり面白くなりそう」
膨らませる攻撃のイメージを聞いて、何も「J3得点王の2トップ」という狭い枠組みに押し込める必要はないことに気づかされた。1トップ2シャドーでも、ブラジル人2トップに1列後ろから絡んでいっても良いのだ。新たに指揮を執る倉石圭二監督が、どのような攻撃ユニットを構築していくのか。チームには他にも個性豊かなアタッカーがそろう。組み合わせの可能性とロマンが、どんどん膨らむ。
「去年、J3で試合に出たメンバーが集まっています。みんな試合勘があると思うし、しっかりと組み合わせていけば、必ず良いチームになる。既存の選手も含めて、今治にはすばらしい選手がそろっていて、J2で戦える自信はあります」
自身をはじめ、J3で実績のある選手が補強され、チームは初の舞台に挑む。
Reported by 大中祐二