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【取材ノート:神戸】阪神・淡路大震災から明日で30年。ヴィッセルは今季も神戸とトモニ歩む

2025年1月16日(木)


1995年1月17日。ヴィッセル神戸は始動予定日に阪神・淡路大震災に遭った。あれから明日で30年を迎える。

チーム内で震災の記憶がある選手は少ない。神戸市出身で30歳の岩波拓也でも体験ではなく、伝え聞いた記憶しかない。そうを考えると“少ない”ではなく、震災の記憶がある選手は“いない”と言った方が正しいかもしれない。

とはいえ、ヴィッセル神戸の選手たちは誰もが阪神・淡路大震災を意識している。東京Vから今季加入した19歳の橋本陸斗はクラブのリリースでこんなコメントを残している。



「私は、阪神・淡路大震災を知らない世代ですが、神戸の街並みを見て、様々な人の復興への想いがこの美しい街を創っていったことを肌で感じ、込み上げてくるものがありました。この美しい街を自分のプレーでより一層輝かせたい。神戸というクラブでトモニ大きなことを成し遂げたい。そんな強い覚悟を持って来ました」

震災から30年の節目に再びクリムゾンレッドのユニホームを纏うことになった西宮市出身の本山遥は、新加入選手会見後の囲み取材で思いを語った。



「(阪神・淡路大震災の発生時は)自分は生まれていなかったんですけど、子どもの頃から学校の授業などでどれだけ辛い震災だったのかを学んできました。ヴィッセル神戸は震災の日から神戸の皆さんとトモニ立ち上がってきたクラブですし、僕たちが結果を残し力強いヴィッセル神戸を見せることが神戸の人や街を勇気づけるとも思っています。そういう意味でもクラブ創設30周年は本当に大事な1年だと思います」

中学・高校とヴィッセルアカデミーで過ごした本山にとって、今シーズンは自身初のJ1挑戦となる。震災の記憶を風化させないためにも、生え抜き選手の活躍には自然と期待が高まる。

「吉田監督の求める“基準”はすごく明確ですし、それを満たした上で自分の特長を出していけば間違いなくチームに貢献できると思っています」(本山)

あれから明日で30年。ヴィッセル神戸はリーグ3連覇とACLE初優勝という大きな野望を胸に、いよいよ沖縄キャンプへと旅立つ。今季も神戸とトモニ歩んでいく。

Reported by 白井邦彦