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【取材ノート:大宮】“らしからぬ”サイドバック、安光将作の新たな挑戦

2025年1月15日(水)


「すげえって感じです。この雰囲気とかライトの感じも、あんまりJリーグの新体制発表会っぽくないというか、すげえなって思いました」

1月9日にさいたま市内で行なわれた『2025 RB大宮アルディージャキックオフイベント』を終え、安光将作はそう振り返った。

今オフ、移籍加入選手として安光の名前が一番最初に発表されたのを見て、喜んだ方も多いのではないだろうか。2024明治安田J3リーグ最終節、気持ち良く勝利してシーズンを終えようと臨んだ大宮サポーターに、18試合ぶりのシーズン3敗目を浴びせた張本人である。そんな選手が味方に加わるのであれば、何より心強い。


その試合に自身で決めた先制点も、チーム2点目を呼び込んだミドルシュートも、およそ左サイドバックとは思えない動きから生み出している。ライン際に張るよりも、浮いたポジションからスルスルと上がっていき、気がつけばバイタルエリア、いやいやボックス内にまで入り込み、好機を窺っていた。

「(そういう動きを)許されていた、が近いかな。監督によっては、右のサイドバックが上がると逆は上がるなと言う人もいるけど、入っていっていいよって言われてました」

幼少のころから攻撃的なポジションが多く、プロ1年目は法政大時代からのサイドハーフで勝負したが、わずか途中出場4試合に終わった。2023年にサイドバックへ転身すると、そこから運命は大きく変わった。

「(ボールが)逆サイドの時にもゴール前に入っていくことに去年意識して取り組んで、それが結果に結びついて、そうした成功体験をもとに少しずつ掴んでいけた。そこが自分の1つのストロングポイントだと思うので、活かしていけたらいいなと思います。サイドバックっぽいサイドバックよりはそっちの方ができるかな(笑)」



今季の大宮は3バックか4バックか、システムがどうなるかまだまだ見えてこない。安光自身は3バックでのウイングバックの経験はほとんどないと言うが、システムやポジションに固執するつもりはない。
 
2年前にサイドバックをやらなければ今の自分はなくて、そういった意味では、また新しいポジションになっても前向きにチャレンジしていくことで、自分の可能性が広がっていくのかなと思っています。任せられたポジションで全力を出して、自分の可能性をどんどん広げていきたいと思ってます」

サイドバックの安光が、実際にはどこでプレーする時間が長くなるか。今年の大宮は、それが好不調のバロメーターの一つになるかもしれない。

Reported by 土地将靖