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【取材ノート:琉球】「エンブレムのために戦う覚悟ある選手」が一同に。琉球の新体制発表会が開催

2025年1月10日(金)


2025シーズンへ向けて始動したばかりの琉球は9日、ファン・サポーター、スポンサー等関係者ら約300名を集めての新体制発表会を那覇市内で開催。14人の新加入選手を含む28人の選手(富所悠は欠席)、新指揮官の平川忠亮監督をトップとするスタッフ陣が壇上にあがり観客の歓声を浴びた。



サポーターを前に平川新監督は琉球のアイデンティティである攻撃的なスタイルを磨きつつ、アグレッシブな守備を追求し攻守両輪を噛み合わせてプレースタイルを進化させたいと所信表明。その上で「選手たちは『強い覚悟を持って真剣な眼差し練習に取り組んでくれている。彼らと共にJ2昇格を目指す』と力強く宣言した。



新加入選手だが、琉球でプレーするのは2021年以来のMF茂木駿佑は4年ぶりの復帰。観客からの「おかえり」の声に応えながら「両足からのキックを見てください」と、代名詞である強烈なパンチ力とクロス精度に磨きがかかったところを証明し勝利に貢献したいと話した。

チーム編成の特長として、今年の選手の平均年齢は25.2歳で、昨年と比べて1.2歳若いということ。柏から育成型期限付き移籍で加入の18歳FWワッド モハメッド サディキなど伸び盛りの選手が数多く加入した。そしてすべての選手が「琉球のエンブレムのために戦う覚悟ある選手」(八木原泰斗強化部スポーツダイレクター)で編成し、チームと選手が同時に成長していく姿勢を強調していきたいとした。ゆえに、キャリアに関係なく意見を言い合える風通しのいい組織を作り、プレーの質だけでなく信頼関係を向上させてチームの成長を促す「フラットな意見交換」ができるかが今年のチームづくりにおいてのキーワードといえるだろう。



その琉球のエンブレムが施されたユニフォームはサプライヤーを務めるSFIDAが手がけ、ホーム戦で着用の1stユニフォームは、琉球王朝の象徴的な建築である首里城をモチーフにクラブの象徴である「ベンガラ色」を全面に押し出した。たすき状の斜めのラインはかつて特別な人々が歩いた道「浮道(うきみち)を取り入れることで頂点を目指すクラブの歩みを重ね、沖縄の歴史と文化を尊重しながら未来への挑戦を表すものとしている。GKも同じデザインだが、クラブのサブカラーであるゴールドが採用された。

また2ndユニフォームは沖縄の伝統工芸品「ミンサー織り」を基にしたデザインで、中心に向かってうねりを加えたミンサー模様を落とし込み、クラブが持つ挑戦と成長の姿勢を表現したという。フィールドプレーヤーは沖縄の海をイメージするエメラルドブルーで、GKは固い守りを連想させるブラックを採用。地元の文化をユニフォームに取り入れることで地域の誇りとクラブの存在意義が強く結びつくデザインとなった。



監督・スタッフ・選手、そしてサポーターが一体となり、新たな挑戦に挑む琉球の今シーズン。J2昇格という目標を胸に、一つひとつの取り組みに理由と計画を持ち、確実に進化していく姿勢を貫けるかがテーマとなる。

Reported by 仲本兼進