2024年11月25日、千葉は小林慶行監督の契約更新を発表した。小林監督は自身にとって3シーズン目の指揮を執ることになった。
小林監督が、監督としてのキャリアをスタートさせた2023年シーズンの千葉は、明治安田J2リーグの前半戦でなかなか勝ちきれない時期があった。小林監督はのちに筆者の質問に答える形で「心が折れかけたけど、スタッフの支えや選手たちの頑張りもあって、やるべきことをやり続けて積み上げていくという方針を変えなかった」というような話をしていた。ただ一つ変えたのは選手との接し方で、選手個人に厳しい指摘をすることが選手の心理にどのような影響を与えるか、不安に感じるところがあったという。
しかし、選手が成長し、チームが強くなるために、それまでよりも厳しい態度でトレーニングやミーティングに臨んだ。それはむしろ選手にとって好影響で、トレーニングにはいい意味で緊張感や厳しさが高まり、その雰囲気の中で選手個々もチームもレベルアップ。J2リーグで7連勝を記録し、準決勝で敗退となったものの2017年シーズン以来となるJ2昇格プレーオフ進出を果たした。
監督2シーズン目の2024年シーズンは前年に続いてスタートダッシュとはならなかったものの、次第に調子を上げていった。しかし、第23節からは1分4敗と勝利から遠ざかってしまう。それでも第28節から3連勝し、第31節は敗れたものの、第32節から5連勝した。
第34節に向けた10月3日の練習後のオンラインでの囲み取材で、筆者は第23節から5試合勝利がなかった時期の心境、その状況をどのように打破しようと考えていたのか、昨シーズンの勝てなかった時期の心境との違いを含めて聞いてみた。すると、小林監督は次のように話した。
「あのタイミングで言うと、自分が一番考えなければいけないのは、自分たちの戦い方の中でもっと高められる部分は何なのか、自分たちの中で少しウィークポイントになってしまっているところはどこなのかということでした。そのバランスをとって今のチームの最大のパワーを出すためには何が必要なのか、誰がピッチに立つべきなのかということも含めて試行錯誤していて、頭の中ではいろいろなことが駆け巡っていました」
その試行錯誤の中でポイントになったのは攻撃面だったという。
「1つ明確に整理したのはチャンスの数が減っていて、実際に点が取れていなかったということで、自分たちが前進していくうえでの立ち位置を良かった時期に立ち返ろうということでした。戦術的な部分として自分はそこをメインに改善したつもりではいます。あとは、トレーニングに関してコーチ陣がしっかりとすごくいい雰囲気を作ってくれて、それぞれがいいトレーニングをやってくれました。それに選手たちが応えてくれたのが一番良かったことですけど、選手たちを見ているとずーっとハードワークしてくれていたんですよ。それを毎日、毎日、見ていて、みんなで作り上げていけているというのを僕だけでなく、コーチ陣も選手も感じていたと思います。『だから、大丈夫だ』と心境としては落ち着いていました」
勝てない状況を打破するために改善は必要だが、これまで積み上げてきたものまでも変えるように何かいじることはしない。積み上げてきたものを崩さず、ベースは変えることなく高められる部分を高めていく。それによって千葉は第36節終了時には4位に浮上。今シーズンのJ1昇格プレーオフ進出は濃厚と思われたが、第37節、第38節と連敗し、7位とJ1昇格プレーオフ進出圏外に転落してシーズンを終えることとなった。
2025年シーズンはさらに攻守両面でレベルアップし、最後まで勝ちきれるチームに千葉がなれるように、小林監督が指導することを期待している。
Reported by 赤沼圭子
小林監督が、監督としてのキャリアをスタートさせた2023年シーズンの千葉は、明治安田J2リーグの前半戦でなかなか勝ちきれない時期があった。小林監督はのちに筆者の質問に答える形で「心が折れかけたけど、スタッフの支えや選手たちの頑張りもあって、やるべきことをやり続けて積み上げていくという方針を変えなかった」というような話をしていた。ただ一つ変えたのは選手との接し方で、選手個人に厳しい指摘をすることが選手の心理にどのような影響を与えるか、不安に感じるところがあったという。
しかし、選手が成長し、チームが強くなるために、それまでよりも厳しい態度でトレーニングやミーティングに臨んだ。それはむしろ選手にとって好影響で、トレーニングにはいい意味で緊張感や厳しさが高まり、その雰囲気の中で選手個々もチームもレベルアップ。J2リーグで7連勝を記録し、準決勝で敗退となったものの2017年シーズン以来となるJ2昇格プレーオフ進出を果たした。
監督2シーズン目の2024年シーズンは前年に続いてスタートダッシュとはならなかったものの、次第に調子を上げていった。しかし、第23節からは1分4敗と勝利から遠ざかってしまう。それでも第28節から3連勝し、第31節は敗れたものの、第32節から5連勝した。
第34節に向けた10月3日の練習後のオンラインでの囲み取材で、筆者は第23節から5試合勝利がなかった時期の心境、その状況をどのように打破しようと考えていたのか、昨シーズンの勝てなかった時期の心境との違いを含めて聞いてみた。すると、小林監督は次のように話した。
「あのタイミングで言うと、自分が一番考えなければいけないのは、自分たちの戦い方の中でもっと高められる部分は何なのか、自分たちの中で少しウィークポイントになってしまっているところはどこなのかということでした。そのバランスをとって今のチームの最大のパワーを出すためには何が必要なのか、誰がピッチに立つべきなのかということも含めて試行錯誤していて、頭の中ではいろいろなことが駆け巡っていました」
その試行錯誤の中でポイントになったのは攻撃面だったという。
「1つ明確に整理したのはチャンスの数が減っていて、実際に点が取れていなかったということで、自分たちが前進していくうえでの立ち位置を良かった時期に立ち返ろうということでした。戦術的な部分として自分はそこをメインに改善したつもりではいます。あとは、トレーニングに関してコーチ陣がしっかりとすごくいい雰囲気を作ってくれて、それぞれがいいトレーニングをやってくれました。それに選手たちが応えてくれたのが一番良かったことですけど、選手たちを見ているとずーっとハードワークしてくれていたんですよ。それを毎日、毎日、見ていて、みんなで作り上げていけているというのを僕だけでなく、コーチ陣も選手も感じていたと思います。『だから、大丈夫だ』と心境としては落ち着いていました」
勝てない状況を打破するために改善は必要だが、これまで積み上げてきたものまでも変えるように何かいじることはしない。積み上げてきたものを崩さず、ベースは変えることなく高められる部分を高めていく。それによって千葉は第36節終了時には4位に浮上。今シーズンのJ1昇格プレーオフ進出は濃厚と思われたが、第37節、第38節と連敗し、7位とJ1昇格プレーオフ進出圏外に転落してシーズンを終えることとなった。
2025年シーズンはさらに攻守両面でレベルアップし、最後まで勝ちきれるチームに千葉がなれるように、小林監督が指導することを期待している。
Reported by 赤沼圭子