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【取材ノート:千葉】リスクを恐れず、細部の質にこだわる風間宏矢

2024年12月12日(木)
2024年12月8日、クラブから風間宏矢の契約更新が発表された。相手チームの選手と選手の間にうまくポジションをとり、攻撃の潤滑油となるプレーが得意な風間。だが、今季はスタメンを完全につかみ取るまでには至らず、第31節の44分に負傷交代。9月22日に左アキレス腱断裂の重傷だったことがクラブから発表された。風間は普段の話から分かるように、自分が得点することにこだわらない選手ではあるものの、シーズン終盤のJ1昇格プレーオフ進出をかけた試合に出場できず、J2リーグ戦は無得点のままシーズンを終えた。

とはいえ、風間は攻撃の組み立て、フィニッシュに持ちこむプレーについて、細部を意識してこだわる、自分なりの考えを持っている。9月5日の練習後のオンライン取材では、2-0で勝ったものの大分にペースを握られる時間が少なくなかった第29節の修正点について、次のように語った。

「勝てているので、もちろん要所、要所では良かったと思うし、チームでの振り返りをやっていてもいい部分はあったんですけど、自分の中ではチームとしてもっとやれたというか、出し惜しみをしてしまった試合だったなと感じました。もっとやれるのに自分たちで若干苦しくしてしまったというか。大分にはもちろん素晴らしい選手たちがいるんですけど、相手に隙があるようなところで、うまくいっていない部分をもっと突ける場面があったのに、そこで自ら相手にボールを渡してしまったりとか、雑にやってしまったりしていた。もう1歩、2歩動きをずらすとか、あと1歩、2歩ぶんパスを合わせるとかできればよかったのに、自ら苦しくしてしまった場面が多々あったと思います。そういうちょっとした部分、紙一重のところで試合が決まると思うので、そこの部分は試合中に修正できるようにしたいです」

その頃の風間が気にしていたのは、「点を取るところでやるべき段階が抜けてしまうことがある」ということだった。

「中盤が経由されていないプレーがちょっと増えてきているなと思います。それだと相手も対策しやすいというか。もちろんそれ一辺倒とまではいかないですし、それはもちろん自分たちのストロングポイントでもあるんですけど、そこの部分でバランスが少し偏った面があったと思いました。中盤を経由するという段階にはもちろんリスクがあるけど、リスクがあるぶんチャンスも転がっているのは確かなので。リスクを恐れるのではなくて、(監督の小林)慶行さんも言っていますけど、自分たちはそこのプレーの質を上げるために毎日、練習をやっているのであって、そこをもっと意識してピッチで出せればなと思います」

チームとしての狙いであるラインブレイクを意識して、早くゴール前にボールを運ぶために中盤を飛ばすロングパスを出す。それ自体は決して悪いプレーではないが、状況によって工夫するが必要不可欠だ。

「それができたら、うちの選手の良さが出るんじゃないかと思いますし、それができることによってうちのワイドの選手たちの強みがもっと生きてくるんじゃないかなと思います」

緩急のリズム、パスの長短などのメリハリがあり、細部の質にこだわった攻撃。それが千葉のJ1昇格に必要なゴールを生み出すことになる。今季は消化不良に終わったであろう風間が、来季は思う存分攻撃のタクトを振り、ゴールに絡むことを期待したい。

Reported by 赤沼圭子