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【取材ノート:琉球】沖縄県出身選手だからこそできる地域貢献。サッカー教室は大事な触れ合いの場

2024年12月5日(木)


明治安田J3リーグのFC琉球でプレーする上原牧人、津覇実樹、幸喜祐心の沖縄県出身選手が12月4日、うるま市の具志川ドームで開催したサッカー教室に参加した。



沖縄県サッカー協会とFC琉球の共催で行われたこのサッカー教室は、久米島や石垣島といった離島も含めて6会場で実施。うるま市での最終日は県出身の高安孝幸が体調不良のため欠席となったが、小学生約40人とともにドリブルやミニゲームなどを通じて交流した上原牧人は「自主的にやろうと思ってもなかなかできない企画で、サッカー協会とFC琉球が子どもたちのためにという思いがあって参加しました。シーズン中はなかなか難しいんですが触れ合う機会はとても貴重だと思うし、元気な子供たちと一緒にサッカーできてめちゃくちゃ楽しかった」と話した。



また、地元うるま市出身で2年目の津覇は「僕が小学生のときと比べても全然上手いし、自分自身(琉球の)増谷幸祐選手から小学生のときに直接プレーを教わったときに『プロになりたい』と率直に思ったので、こういう機会は大事だなっていうのを実感しています」と、当時の感動を今でも覚えているという。そして今季プロ契約を結んだ19歳の幸喜は「今までは自分が『教わる』立場だったんですが、今回初めて『教える』側に立って、伝える難しさを痛感しました」と、感覚的なプレーを言葉にして伝える難しさに直面しながら子どもたちと向き合っていた。



選手とともにコーチ役を担ったのが札幌・愛媛・琉球で計14年間プレーした元Jリーガーの上原慎也さん。2022年に引退し、翌年からFC琉球のクラブコミュニケーター(CC)となってクラブと地域をつなぐかけ橋としてホームタウン活動に注力している。その上原さんとともに琉球で4年間プレーした上里一将さん(現・FC琉球アカデミーロールモデルコーチ)が県出身選手によるサッカー教室を立案。

「僕ら二人が2019年から琉球でプレーすることになったとき、当時いた県出身の徳元悠平(現・名古屋)、上門知樹(現・C大阪)、儀保幸英(現・沖縄SV)と一緒にポスターを配りに行きながら『自分たちでサッカースクールやろうぜ』っていう流れになって(笑)。もっとFC琉球のこと、プレーする選手たちのことを知ってもらいたいし、何より『頑張れば沖縄からプロサッカー選手になれるんだよ』と直接伝える機会があればなという思いからスタートしました」(上原慎也)



2019年から今日まで絶やさず開催されているサッカースクールを楽しみにしている子どもたちも数多い。サッカーを通じて地域を元気づけることができるのも県出身選手だからこそ。プロの選手が間近でプレーを見せて子どもたちが真似をする。選手も後進の指導にあたりながら伝え方を学べるという相乗効果も期待できる。これからもシーズンオフにしかできない沖縄のサッカー界の未来を照らす大事な機会となってくれるはずだ。

Reported by 仲本兼進