あの“ゴラッソ”から4年。高校サッカーを賑わせたストライカーが、長野の地にやってくる。
2020年に行われた第98回全国高校サッカー選手権大会決勝。青森山田が2-1とリードして迎えた後半、静岡学園が同点に追いつく。
加納大がペナルティエリア付近でパスを受けると、相手から遠い左足でボールを隠しながらドリブルで持ち運ぶ。小刻みなボールタッチから、小さな振りで左足一閃。強烈な弾道がゴール右隅に突き刺さった。
静岡学園は加納のゴールで2点差を追いつくと、終了間際にも勝ち越し弾。3-2と大逆転勝利を収め、24大会ぶり2度目の全国制覇となった。
優勝という置き土産を残した加納は、卒業後に中央大学へ。4年生となった今季、関東大学リーグ1部で18試合で7ゴールを挙げている。11月上旬には明治安田J3リーグのAC長野パルセイロに練習参加。他クラブとの競合を経て加入に至った。
今季限りでの退任が決まった髙木理己監督は、選手権決勝のゴールを見て加納に惚れ込んでいた様子だ。旗手真也・強化担当も「今のチームにはいないタイプ。ボールを受けて捌けるし、シュートに持ち込む型もある。真面目な性格なので前線から守備もできるし、90分戦えるフィジカルも持っている」と高く評する。
今季の長野は18位と残留争いに巻き込まれ、後半戦は得点力不足にも苦しんだ。そこから巻き返しを図る意味でも、加納に懸かる期待は大きい。新エースとして名乗りを上げられるか。
Reported by 田中紘夢