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【取材ノート:千葉】飄々としたプレースタイルと優れた攻撃センスでチームを支える品田愛斗

2024年10月24日(木)
J1昇格プレーオフ進出のためには勝ち続けていかなければならないジェフユナイテッド千葉。しかし、明治安田J2リーグ第35節は攻守がうまく機能せず、ヴァンフォーレ甲府にペースを握られて苦戦した。千葉は前半シュートがゼロで終わり、後半から立て直しを図ったものの、68分には甲府に先制点を奪われてしまう。その苦境から千葉を救う横山暁之の同点ゴールをお膳立てしたのが品田愛斗だった。


甲府のクリアボールを拾った小林祐介からパスを受けると、品田はシュートを打つモーションをしたあと、ゴール前の両チームの選手が密集したところに鋭い縦パス。これを受けた横山が見事な右足のボレーシュートを決め、千葉が1-1に追いついた。

「最初に自分がシュートを見せることで空いてくるコースがあるし、普段からそういうプレーをトレーニングから見せているので。あのシーンはヨコくん(横山)だけではなくて、ミチくん(林誠道)と(小森)飛絢も(シュートを)狙っていたので、自分が普段から当たり前のように見せていることで意思疎通ができていたと思います」

今年の3月にFC東京から期限付き移籍で加入した品田だが、ボランチのスタメン争いは非常に激しく、J2リーグでは交代出場が多かった。しかし、天皇杯ではスタメン起用され、ラウンド16では品田の直接FKでの得点で1-0とJ1クラブの北海道コンサドーレ札幌に勝利。フィジカルコンタクトが強い守備に加え、優れた戦術眼とセンスで攻撃の組み立て時に落ち着きをもたらし、決定的な縦パスを出す。そんな武器を次第に多く出せるようになったことで、品田はJ2リーグでは第28節から8試合連続でスタメンに名を連ねている。


この試合で千葉は86分に田中和樹が逆転ゴールを奪い、2-1で勝った千葉は4連勝で4位の座をキープ。それでも勝点3を取り続けなければならない試合が続いていく。

「(勝たなければならない試合が続くことに)プレッシャーはもちろん感じています。シーズン終盤に来て疲労感とかいろいろあって、うまくいかないことがかなり多いですけど、そういうのも心理的な部分にも多くの影響あると思うので。でも、やっぱりそこを自分たちのタフさ、強さで乗り越えていかなきゃいけないと思うし、それがJ1昇格につながると思うから、そこの気持ちの糸を絶対切らさないようにやらなきゃいけない。このメンバーで試合をやるというのも(まだ進出は決定していない)J1プレーオフの準決勝、決勝を含めて5試合しかないので、楽しんでやる雰囲気も自分が出していきたいなと思います。頑張ります」

プレッシャーを感じているという品田だが、ピッチではそんなことを感じさせず、飄々とプレーしている。その姿が醸し出す雰囲気はチームに好影響を与えているように思われる。

「みんな強い選手だから大丈夫だと思いますし、実際はどうなのか分からないですけど、自分が動揺しているとチームが崩れるかもしれないので。そういうところは多少なりとも意識はしています」

プレー面だけでなく精神面でもチームを支えることを意識している品田。千葉でのスタメン争い、そしてJ1昇格争いの厳しい波に揉まれながら、潜在能力がどんどん開花している。その開花が千葉の戦力アップと勝利につながっていることは間違いない。

Reported by 赤沼圭子