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【取材ノート:大宮 - 特別編】覚悟を持って。貫真郷が居場所を求める戦いに挑む

2024年10月4日(金)


貫真郷が頑張っている。

大宮アルディージャからJFLラインメール青森への育成型期限付き移籍が発表され、早2か月弱。大宮ジュニア(現大宮U12)からの生え抜きは、自らを人生初の大きな環境変化の中に置き、日々の鍛錬に取り組んでいる。

移籍後のJFL第18節以降、第22節まで全試合に先発フル出場。取材した第21節ソニー仙台戦でも、定位置となった3バックの右センターバックとして出場した。8分、強い風雨の中で縦に入ってきたボールをコントロールしきれず、失点に絡む苦いスタート。だが、徐々に持ち直すと、縦に持ち上がって高い位置で起点になる。49分の同点ゴールは、同様に相手陣内まで進出した貫のサイドチェンジが起点になったもの。後半は安定したプレーでチームの逆転勝利を下支えした。



試合後、失点の場面について「体の向きとか、準備が悪かったと思う。前に潰しに行く意識が強くなりすぎて、裏のケアがちょっと曖昧になった」と悔やんだ。その前の第20節アトレチコ鈴鹿戦でも、1点リードした試合終了間際に失点し、勝利を逃している。「試合の最初と終わりの部分は、自分がリーダーシップをとってやらないといけないところ。次は絶対にないように頑張ります」と前を向いた。

かつて大宮でもプレーし、貫のデビュー戦から4試合で監督代行も務めた村上和弘ヘッドコーチは、「3バックのワイドもやっていて、センスもあるし、何でもまんべんなくできるタイプだと思う」と評価しつつ、「試合の中でどれだけ喋れるか、どれだけ自分のプレーを表現できるかというのは、もっとやったほうがいい。もっと試合を重ねて、責任を与えられた状況でやっていくのが一番成長するのかなと思います」と課題を与えた。

そこは貫自身も感じているところ。

「公式戦では、練習でできていることができてない部分が多かったり、無駄に自分を追い込んでるような感じがするんですよね。変に自分にプレッシャーを掛けちゃっているのかな。そういうのも含めて経験というか、ここからやっていく、という感じです」



JFL第22節終了時点で、明治安田J3リーグ昇格の可能性が残る2位までの勝点差は11。残り8試合で厳しい数字ではあるが、最後までそこを目指して戦い続けることで得られるものもある。貫にとっては経験の場、成長の場であると同時に、居場所を求めるための戦いの場でもある。大げさに言えば、そこに自身のプロキャリアが懸かっている。

「ここ(青森)には覚悟を持って来た。自分が差を見せつけられるところは、どんどん出していかないといけない」

遠くさいたまの地で、活躍の報が届くことを期待している。

Reported by 土地将靖