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【取材ノート:今治】高精度のパスを駆使して、土肥航大が勝利の道筋を見据える

2024年9月26日(木)


昨年に引き続き、この夏、二度目のFC今治へのシーズン途中での加入となった。それから1カ月。第29節・SC相模原戦の84分に交代出場し、ようやく再デビューを果たした。

「アディショナルタイムを合わせても10分プレーしたかどうか。ボールにも思うように触れませんでした。それでも試合に出たとき、何をするかというのはイメージしながらずっと準備してきたので、短い時間ながらやれたところはありました」

出番が回ってきたのは2点リードされた状況で、守備を固める相模原のブロックを突き崩そうと、精度の高い左足のキックを生かし、果敢にパスを差し込んでいった。結局、0-2のまま試合終了となり、チームは13試合ぶりに黒星を喫したが、久々の実戦は、次の出番こそしっかり勝利に貢献するきっかけになり得るものだ。


「練習試合では90分プレーしているし、コンディションは問題ありません。やっぱり公式戦に出るためにやっているわけだから、今回の10分のプレーで満足するわけにはいかないです」

今シーズンは広島から栃木SCに期限付き移籍し、J2を舞台に新たなチャレンジをスタートさせた。だが、ウイルス性の高熱がきっかけでコンディションを崩し、約2カ月、離脱していたこともあり、リーグ戦2試合、カップ戦1試合の出場にとどまっていた。

相模原に敗れはしたものの、チームはJ2自動昇格圏内の2位をキープ。残り10試合を切って、ラストスパートを掛けるチームにとって、高精度のパスを生かして攻撃のギアを上げられるレフティーの加入は、心強い追い風となる。

「今年の今治は最前線にヴィニ(マルクス ヴィニシウス)や(ウェズレイ)タンキといった前へ、前へと走れる選手がいるので、その推進力を生かすことが求められていると思います。それからアンカーとしてプレーすることもあるので、なおさら守備でしっかり潰して、そこから攻撃の起点になることができれば」

技術は抜群。ボールを持てば、そのプレーは申し分なく、期待感も一気に膨らむ。それだけに球際でタフに戦い、守備でもチームの力になれると証明することが、出場時間を伸ばしていくための大きなカギとなる。

ピッチに立って、何をするべきか。イメージは明確だ。

「強力な前線にゴールを取らせないと。去年は今治でアシスト一つに終わってしまったので、今年はしっかりゴールに絡んでいきたいです」

全体練習の後は居残って、渡辺隆正コーチが付きっ切りでステップワークの向上に励む。地道な取り組みによってアジリティに磨きが掛かれば、ボール技術もいっそう映えるし、守備でも優位に立てる。J2昇格のラストピースに、名乗りを上げたい。

Reported by 大中祐二