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【取材ノート:大宮】もっと脅威に。泉柊椰がチームをより強くする

2024年9月26日(木)


開幕戦でいきなり2得点の大活躍ながら、その後は自身でも「人生の中でこんなに取れないことはなかった」というほどの26試合無得点。しかし、そのトンネルを抜けた途端に2試合連続ゴール。シーズン終盤へ向け、大宮アルディージャ、泉柊椰の決定力が上向いている。

明治安田J3リーグ第29節、アウェイでのヴァンラーレ八戸戦は、先制しながらも逆転を許すという今季初めての苦しい展開になった。

大宮は後半、猛攻を繰り出す。泉も56分、杉本健勇、小島幹敏とのコンビネーションでゴール前へ進出し、得点を狙った。

「ハーフタイムに(長澤)徹さんから、もっと脅威になれと言われました。もちろんウイングバックの仕事はしながらですけど、それでも点を取る、勝つためのポジショニングを取りました。相手のウイングバックが僕に対して割とマンツーマンで来ていたので、相手が上がるようだったらついていこうと思っていたんですけど、あまり上がってこなかったので強気に行きましたね」

73分に小島のスーパーゴールで同点に追いつく。その後も、再逆転を目指して機を窺った。そして、機は訪れた。

右サイドの茂木力也から中央の杉本にボールが入ったタイミングで、泉はすでに最前線に位置取っていた。そして、左の小島から予想外のパスが来る。

「いや、すごいですよね、あそこを通してきたのは。僕も上(浮き球)かなと思っていたんですけど、下で来たので、合わせるのが楽でした」

ゴール前に密集する選手間をすり抜けるように、グラウンダーのパスが泉に通る。右足ダイレクトで合わせたシュートは、左ポストに当たり、そして右ポストに跳ね返ってゴールイン。スリリングな得点に、「ラッキーだなとは思いますけど、でも調子がいいからなのかな」と笑った。


この勝利で大宮は勝点を69まで伸ばし、2位FC今治との差もまた広がった。何より、今季これまでなかった逆転勝利は、間違いなくチームを勢いづかせる。



「一戦一戦勝ちに行っているので、そこがぶれない結果が出たのかなと思います。試合ごとに強くなれている感もありますし、それはチームとしてレベルが上がっているということですけど、それを言えるのは昇格とか優勝を決めてから。よりうまく、タフになっていければと思います」

飽くなき向上心。目標達成へ、泉の心もぶれてはいない。

Reported by 土地将靖