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【取材ノート:千葉】腐らずに練習で培ってきた攻守のプレーを発揮する松田陸

2024年9月12日(木)
明治安田J2リーグ第30節で水戸に4-0と快勝し、今シーズン2度目の3連勝となったジェフユナイテッド千葉。2試合連続無失点に大きく貢献したのが、センターバックでプレーする松田陸だ。


千葉に加入して2シーズン目の松田だが、激しいスタメン争いもあってなかなかスタメンに定着できずにいた。昨シーズンのJ2リーグは開幕戦から9試合連続でスタメン出場したものの、終わってみれば出場試合数は14にとどまった。

今シーズンのJ2リーグでは初のベンチ入りが第19節で、初出場が67分にメンデスとの交代となった第23節。しかし、その直後の天皇杯3回戦では試合の終盤に足が攣るほどの奮闘を見せ、J2リーグ第24節ではスタメン出場となった。それでも勝利という結果が出なかった影響もあってか、連続スタメンとはならなかった。

チームのキャプテンであり、ディフェンスリーダーの鈴木大輔が負傷で長期離脱する中、千葉は失点がなかなか減らず、第23節からの5試合は1分4敗と苦しんだ。だが、直後の天皇杯ラウンド16では、J1クラブの北海道コンサドーレ札幌を相手に1-0の無失点勝利。その札幌戦で松田は献身的なプレーを見せた。守備時の落ち着きに加え、サイドバックでもプレーできる松田のボールを前へ運ぶ力を評価した小林慶行監督は、J2リーグ第28節でスタメン起用。2失点したもののチームは4-2と逆転勝利を収め、第29節は大分に2-0の無失点勝利と連勝した千葉の中で、松田は連続スタメンでピッチに立った。

第30節の序盤は水戸ホーリーホックのロングボール主体の攻撃に押されたが、千葉は焦ることなく対応し。修正を図って次第に流れを引き寄せた。守備で我慢できたことが勝利につながったといえる。

「練習からゴール前で体を張るとか、声でマークの受け渡しをするとかやってきたことが、試合で出せたのかなと思う。相手も3連勝していて最初から勢いを持って来るというのは分かっていたので、バトルで負けないでセカンドボールを拾って我慢して前に出ようと話していた。プランどおりだったと思う。クロス対応ではセンターバック2人の距離を縮めて、1人が相手にアタックできるようにした」

松田は守備だけでなく、攻撃でも活躍。「受け手がいいところにいるので入れやすいから、常に狙っている」という縦パスを出す場面もあり、この試合のチームの3点目では得点者の田中和樹へラストパスを出した風間宏矢につなぐパスを出した。

「5対5での練習とかでああいう場面があるので。あそこらへんでボールをもらえば、そこに宏矢くんがサポートに来てくれるし、本当に受け手がいいところにいたので、自分はもうボールを預けるだけだった。全員が(ゴールまでの)イメージを共有できているゴールかなと思う」

松田が攻守のプレーを語る言葉には、常に『練習』が入ってくる。出場機会が巡って来なくても腐らず、努力を怠らない。真摯に練習に取り組んできたからこそ、ピッチに立った時に練習で培ってきたものを余すことなく発揮できるのだろう。

「ここで気を抜いてしまうとダメになってしまうので、1試合、1試合、練習からしっかりやっていきたい。そして、練習で準備したものを出すだけです」

千葉にとって難敵である秋田を相手に、松田がどんなプレーを見せるのか注目したい。

Reported by 赤沼圭子