Js LINK - Japan Sports LINK

Js LINKニュース

【取材ノート:大宮】日常の積み重ねが生んだ村上陽介のビッグプレー

2024年9月11日(水)


勝利の立役者といえば、やはり決勝点を挙げたストライカーとなるのがサッカーの常。だが、時にそれと同じぐらい、いや、それ以上に価値ある活躍を見せる選手が現れることもある。

この日もそうだった。明治安田J3リーグ第27節、松本山雅FC対大宮アルディージャ戦。村上陽介の試合ラストでのビッグプレーは、大宮の勝利を決定づけるものとなった。


提示されたアディショナルタイム4分を間もなく迎えようとする試合最終盤。67分に石川俊輝の挙げたゴールで最少リードを守ろうとする大宮と、同点から逆転を狙う松本の攻防が続いていた。

松本は左クロスから、逆サイドでフリーになっていた宮部大己が右足ボレーシュートでゴールを狙う。そのシュートコース、ゴールキーパー笠原昂史の位置から、失点を覚悟した者も少なくなかったはずだ。

そのピンチに、村上が反応した。

「何か意識していたというよりは、自然とゴールへ足が動いたという感じですね。何かを考えてる暇なんてなくて、クロスが上がった時に(相手選手が)めちゃめちゃフリーだと見えたので、ゴールに戻ろうと」

瞬時にゴールラインまで戻ると、身をよじりながらヘディングでボールをはじき返した。その直後に試合終了のホイッスル。勝利を決定づけたスーパークリアとなった。

「守備練習の時に若宮(直道)コーチから、クロスが上がった時に体の向きを変える速さの重要性をかなり言われています。それが体に染みついてきた中で、あのプレーができたと思っています」



この試合でチームは今季最多の4連勝となった。その要因に、6試合連続でのクリーンシートがあることは間違いない。それもやはり、日々の練習の賜物だと言う。

「守備練習では、(ボールに)背を向けない、少しも避けないとこだわってやっているし、それは守備陣みんなが意識している。今回は僕のところにボールが来て、ああいう形でいいクリアができましたけど、練習で最後まで走るとか、僕だけじゃなくてみんながやっている。サボらず今後も続けていけば、結果はしっかりついてくると思っています」

日常の積み重ねによって築かれたリーグ最少失点の堅陣。この支えがあるからこそ、チームは突き進んでいける。これからも。

Reported by 土地将靖