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【取材ノート:大宮】2枚でも3枚でも。アルディージャを支える中盤の変化

2024年8月30日(金)
再開した明治安田生命J3リーグ。3週間の中断を経て第24節ツエーゲン金沢との一戦に姿を現した大宮アルディージャは、そのシェイプを少々変えていた。


3センターバック、両アウトサイドは変わらないが、アンカーではなくボランチを2枚。さらに1トップ2シャドーと中盤から前の構成に手を加えていた。

「アルトゥール(シルバ)が怪我しちゃったので、システムを変えました」(長澤徹監督)

要となったのは和田拓也と小島幹敏のダブルボランチ。早々に先制したこともあって、しっかりとブロックを組みつつ、バランスに気を遣った。



「中盤を左右で分担したいんですけど、距離が遠すぎると分担できなくなる。それなら前後で分担したほうがやりやすくなるから、という話は幹敏としていました」(和田)

バランスを取って中央を消しながら、シャドーの杉本健勇と石川俊輝が両ボランチの外に下げ、スペースを埋めた。

「シャドーが中を絞りすぎると外を使われちゃう。ボランチが1枚、中で消しておけば健勇と俊輝が外を見られるから、侵入されにくくなる」(和田)

金沢の攻撃を封じながら、貴重な追加点がボランチの躍動から生まれる。市原吏音のパスカットを小島がピックアップ。一度杉本に預けると、そのまま一気に前進し左ポケットへ進出。泉柊椰からパスを受け、サンデーの2点目を導くクロスを送った。



「中盤2枚の方が距離感良く前に入れるし、自分の良さが出せるのかなという感覚ですかね。アンカーだとなかなか行けないから」(小島)

長澤監督は「いきなりだったのに、対応したあいつらがすごい」と選手を称えたが、選手たちは意に介していない様子だ。

「徹さんはメンバーを見てフォーメーションを考えているから、やりやすい」(和田)

「(攻撃に)センターバックが入ってきたり自由度があるから、(中盤が)2枚でも3枚でも、ちょっとシステムが変わってもうまくやれているような感じはします」(小島)

アルトゥール シルバのダイナミックな攻撃力も魅力だが、このダブルボランチのように、状況に応じて取れる選択肢が増えることは、シーズン終盤へ向けて何より心強い。

「もう突っ走って、ここから周りを圧倒するぐらい、より勝点を積み上げたいですね」(小島)

止まらない。大宮はJ3優勝へ突っ走る。


Reported by 土地将靖