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【取材ノート:千葉】常に「いつもどおり」でゴールマウスの前に立つ鈴木椋大

2024年8月29日(木)
8月25日開催の明治安田J2リーグ第28節で、ジェフユナイテッド千葉はJ2リーグ戦では第22節以来となる勝利を得たが、その試合でゴールマウスを守ったのは今シーズンのJ2リーグ戦で第7節以来の出場となる鈴木椋大だった。昨シーズンのJ2リーグ第25節以降はスタメンの座を獲得した鈴木椋だったが、今シーズン、正守護神となったのはアルビレックス新潟から期限付き移籍で加入した藤田和輝。それもあって、今シーズンの鈴木椋大は天皇杯では2回戦からラウンド16まで3試合連続でスタメンだったが、第27節までJ2リーグ戦での出場は3試合にとどまっていた。

千葉は第23節から3連敗と苦しんでおり、ファジアーノ岡山と対戦した第26節はスコアレスドローで連敗を止めた。だが、続く第27節はいわきFCを相手に前半を優位に戦いながらゴールを奪えず、64分に失点。その後も2失点して0-3で敗れたのだが、試合後の藤田は「僕の1失点目のミスというのが、今日の試合(の結果)を大きく左右するミスだったと思う。僕がもう少しチームを助けられるような仕事ができればよかった」と悔やんでいた。


いわき戦のあとに開催されたのが天皇杯のラウンド16で、千葉はJ1のコンサドーレ札幌に1-0の勝利。同じくFC東京を相手に戦った天皇杯の3回戦に続いてのジャイアントキリングとなった。そして、小林慶行監督はJ2リーグ第28節で、最近のJ2リーグ戦ではスタメン出場があまりないものの、前述の札幌戦で活躍した選手を複数スタメンで起用。鈴木椋もスタメンに名を連ねたのだった。

J2リーグ第28節での千葉はベガルタ仙台に2度リードを許したが、エドゥアルド、佐々木翔悟の得点で2度追いついた。さらに、逆転ゴールを奪った小森飛絢が彼にとってプロ初の複数得点となるチームの4点目をマークし、4-2の逆転勝利に千葉サポーターは歓喜した。2失点はしたものの、鈴木椋は天皇杯の札幌戦に続いて相手の決定機で再三ファインセーブを披露。チームの勝点3獲得に大きく貢献したのだが、第7節以来のJ2リーグ戦でのスタメン出場に関しても、鈴木椋らしい『平常心』の発言だった。


「いつもどおりというか、自分が準備してきたことをしっかりと出すだけだと思っていたので、そんなに緊張もせず、ただ、チームの勝利だけを求めて試合に入りました。でも、自分たちがボールを握っていたし、その中で一発、ああいう形でやられてしまうというのは良くないことだし、そこは改善しないといけない。先制点で流れを持って行かれる場合もあるので。今回はそんなことはなかったですけど、先制点という部分で『1点』の重みをチームとしても感じなきゃいけないなと思います。結果的に2失点していたので、後ろの人間としては耐える時間を耐えることが今後の課題。今日は点を取らなきゃいけない人が取るべくして取ってくれたので、そこは1つ、チームとしていい方向に向いて行ける材料になればいいかなと思います」

奇しくも藤田と同様に鈴木椋もまた1失点目、相手に許した先制点の『1点』の重みを口にしていた。チームの流れを考えれば、次節(第29節)も彼が引き続きスタメンとなることは濃厚と思われる。しかし、鈴木椋はスタメンであってもなくても常に最善の準備を怠らず、チャンスが来た時には「いつもどおり」に『平常心』でゴールマウスの前に立つ。

Reported by 赤沼圭子