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【取材ノート:長野】復活のオレンジ。いざ首位との“ダービー”へ

2024年8月20日(火)


ホームで復活を告げる逆転劇だった。AC長野パルセイロは明治安田J3リーグ第24節で、テゲバジャーロ宮崎に3-1と快勝。後半開始早々に先制されながらも、下を向くことなく3点を奪い返した。


7試合未勝利かつ4試合連続無得点。トンネルを抜け出せないまま3週間の中断期間に入り、背水の陣で臨んだ再開初戦だった。相手は19位に低迷する宮崎で、地の利も大きいとなれば、なおさら負けられない。先手を奪われて「正直『やばい』と思った」と近藤貴司は吐露するも、その近藤のPKで同点に追いつくと、エースの浮田健誠が勝負を決める2発。不安を一掃するかのように3ゴールを沈め、久々の歓喜を味わった。

得点シーンはなんとも長野らしい形だ。2点目は自陣でのクリアから始まったカウンター。1トップ2シャドーの浮田、三田尚希、小西陽向が猛然とスプリントし、最後は三田のクロスから浮田が仕留める。3点目は左ウイングバックの杉井颯が折り返すと、右ウイングバックの近藤がファーに詰め、残されたボールを浮田が押し込んだ。

後方から湧き出るような厚みのある攻撃。それを見た筆者は、とある試合を思い出した。昨季のホームで行われた第25節・愛媛FC戦だ。髙木理己監督の初陣で、首位相手に1-1と堂々のドロー。佐藤祐太(現FC琉球)が決めた同点弾は、杉井のクロスに対して3人がスプリントして決めた形で、まさに前節のゴールと共通項があった。


髙木監督体制の原点を回顧させる一勝。それをもって次に臨むのは、首位・大宮アルディージャとのオレンジダービーだ。アウェイでの前回対戦で1-4と敗れた相手に対し、ホームでリベンジを果たせるか。再び長野らしく、攻撃の牙を剥く。

Reported by 田中紘夢