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【取材ノート:千葉】動き出し10回のうち1回来たチャンスで点を決めきることに集中する林誠道

2024年7月25日(木)
今シーズン、金沢から加入した林誠道だが、明治安田J2リーグの開幕前の負傷が響き、なかなか試合に出場できなかった。公式戦のピッチに立ったのは、4月21日のJ2リーグの第11節で83分からの出場となった。第8節では8-0、第16節では7-1と大量得点の勝利もあったジェフユナイテッド千葉は、チームの総得点数はJ2リーグでトップクラスながらも、ここぞというところでの『1点』を奪えず、引き分けたり、負けたりする試合が少なくない。その『1点』を奪えるストライカーとして期待がかかる林は、少ない出場機会の中でも体を張ったボールキープ、前線で起点になる動き、そして前線からのチェイスと攻守で奮闘。しかし、ゴールが遠かった。

だが、FC東京と対戦した天皇杯3回戦でスタメン出場した林は、チームが49分に失点して苦しい状況下の79分、横山暁之のパスを受けて同点ゴールをゲット。その3分後に林は交代となったが、千葉は91分に呉屋大翔が得点して2-1の逆転勝利を収め、林は千葉の天皇杯ラウンド16進出に大きく貢献した。


「最近は出場時間が増えていたので、その中でリーグ戦ではなくて天皇杯ですけど、初スタメンというところでゴールを決められたのは良かったと思います。相手にはセンターバックに日本代表選手もいましたし、そういう相手にやれたのは本当に自分を信じてやり続けたからだと思います」

それまでの試合では、クロスを含めラストパスが林になかなか入らないこともあった。

「でも、FWはやり続けるしかないので。味方を信じて、動き出しもそうですけど、何回も続けるしかないと思っています。10回動き出して1回来たチャンスで点を決めるか決めないかだと思うから、その1本のパスを無駄にせずに集中してやっていくというのは意識しています」

移籍後初の公式戦での林の得点に千葉のサポーターは大音量の歓喜の声をあげ。林自身もさぞや喜んだと思われたが、ゴール直後はそこまで浮かれてはいなかったという。

「ゴールは嬉しかったですけど、試合はまだ1-1の状況だったので、僕自身はとりあえず早く試合を始めて、この勢いでもう1点取れたらなという気持ちのほうが強かったです。勝ちきるぞという気持ちでした。今日、ゴールは取れましたけど、次が大事なので、これを自信に変えてリーグ戦でもっといいプレーができたらなと思います。リーグ戦のゴールが欲しいので、結果を出せるように頑張ります」

天皇杯から中3日で迎えたJ2リーグ第24節で、林はリーグ戦で初のスタメンとなった。ただ、チームは前半の半ばまでは主導権を握ったが、その後はロアッソ熊本に攻守でうまくプレーされ、結果は0-2の敗戦。林には7分に田中和樹のクロスに頭で合わせたものの、ヘディングシュートがゴールマウスを外れるという決定機があった。


「あそこでやっぱり決めきれないと、チームとしても個人としても上には行けないと思うので。クロスへの入りはいいタイミングで、いい感じで入れたので、何とか(シュートを)ゴールマウスの中に持って行けるようにやっていきたいなと思います」

チャンスで確実に決めきり、チームを勝利に導くゴールを奪う。味方が自分に出した10本のラストパスのうち、自分に通ったのは1本だけであっても、その1本をゴールに結びつける。その強い意識と集中力で、林はラストパスを呼び込む動き出しをやり続ける。

Reported by 赤沼圭子