Js LINK - Japan Sports LINK

Js LINKニュース

【取材ノート:大宮】大宮だから。和田拓也、電撃的復帰

2024年7月25日(木)
J2横浜FCからJ3大宮アルディージャへ――。
和田拓也の電撃的移籍…復帰は、多くの大宮サポーターの心を揺さぶったことだろう。そして、発表された週末には、さっそく明治安田J3リーグ第22節FC大阪戦に帯同し、72分に途中出場を果たした。

「自分が入ったらセカンドボールを拾える位置から前へ出ていこう、1回ウイングバックを使って時間を作ろうと思っていた。それは(茂木)力也にも(下口)稚葉にも言ったし、自分の思ったような試合展開には持っていけたとは思う」

左で下口とのコンビネーションでサイドを崩しにかかり、83分には茂木の右スローインをすかさずサポートしサイドをえぐっていく。相変わらずの戦術眼の高さを見せた。

88分には自ら決定機。カウンターからいち早く前線に位置取ると、小島幹敏のスルーパスから相手GKと1対1の場面を迎えた。


「キーパーをそこまでゆっくり見る余裕がなかったから、股間かなと思って打ちましたけど、ちょっとずれちゃいました」

残念ながらヒーローにはなり損ね、「3ポイントを取れたゲームだし、取っていかないと昇格にはつながっていかない」と悔しがったが、健在ぶりを十分にアピールできた試合となったのではないか。

試合後、改めて移籍の理由を問うと、間髪を入れずこう返ってきた。

「大宮だから、って言ったら聞こえがいいですけど、でも、大宮じゃなかったら移籍していない」

青天の霹靂のようにも思えたが、当人の心の内には何か思いがあったのかもしれない。

「思い入れのあるチームだし、上を目指そうとみんなで同じ方向を向いてやっていると聞いて、自分もそこに貢献できたら、と思った。でも、この1週間で、カテゴリーは関係なく来る価値はあったと思ってます。それぐらい、いいチームです」

2015年にJ2を制しJ1復帰を果たした時の大宮、そして2019年に横浜F・マリノスでJ1を制した時と、同じ雰囲気が今の大宮にはあると言う。

「いいチームは、みんながいい感じで絡める。そういう空気感がこのチームにはあるんですよ。本当にいけると思っています」

黒子的なポジションで、目立つ選手ではない。だが、こんな選手がJ2復帰への大きなピースになるのではないか。そう感じさせてくれた復帰初戦であった。

Reported by 土地将靖