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【取材ノート:千葉】矢口駿太郎はスタメン奪取を目指して何度も這い上がる

2024年7月11日(木)
明治安田J2リーグの第22節で、ジェフユナイテッド千葉の左サイドバックのスタメンとなったのは、プロ2年目の矢口駿太郎だった。左サイドバックのレギュラーでチームの主力である日高大の欠場を受けてのスタメンとなったが、J2リーグでは第14節以来のスタメン。第14節ではJ2優勝争いに加わっている横浜FCに千葉は1-0の勝利を収め、矢口も持ち前の粘り強い守備で奮闘した。しかし、続く第15節では第14節を欠場した日高がスタメンに復帰し、矢口は試合のメンバーから外れた。

第14節は内容が悪かった第13節の0-1の敗戦を受け、スタメンを複数変更しての勝利でチームの流れを変えるものとなった。千葉は第21節で栃木SCに1-2の逆転負けしており、第22節は再び流れを変えたい状況下。相手は今シーズン、JリーグYBCルヴァンカップの1stラウンド1回戦で0-1、J2リーグの第4節は2-4の逆転負けを喫した鹿児島だったが、千葉は2-1で今シーズン初の逆転勝利を収めた。
「自分が必ずこのチームの勝利に貢献するという思いを持っていつもやっているし、横浜FC戦で出て勝ってからリーグ戦では試合に出られていなかったので、それも悔しいポイントでした。そういった面で今日、また試合に出て、自分自身のプレーはまだ整理できていない部分がありますけど、まず90分間走って勝てたのは自分にとって大きな自信につながったのかなと思います」

スタメン出場にあたってどのような役割を与えられ、どうプレーしようと心がけたのか質問すると、矢口はこう答えた。

「まずベースとしてチームがやっている、相手よりも走る、戦うという部分は自分の長所と重なる部分もあるので、そこでは絶対に負けちゃいけないと思って今日もやっていました。それにプラス、仲間の長所を生かせるようにプレーをして、一人ひとりの長所を出していけばチームは絶対に勝てると思っているので、それを考えて試合に挑みました」

第14節では足が攣ってしまい、座り込んだ時に千葉のアカデミー時代からの先輩である横浜FCの櫻川ソロモンに頭を叩かれるという、愛情のある後輩イジリをされていた。しかし、第22節では試合終了まで攻守で走り、体を張ってチームの勝利に貢献した。

「スタメンで出た、この前の天皇杯2回戦でも足が攣って交代しちゃって、試合には勝ったけど、自分の長所は運動量と言っている選手がそうやって攣って90分戦えないというのは、自分の長所としてマイナスなポイントなので。リバウンドメンタリティではないですけど、前回ダメだったから、今回は絶対90分間走り続けてやるというのが自分の中では一番大きなポイントだったんです。実は今日も足は攣ってはいましたけど、絶対に今日は最後までやり続けると決めていたので、最後までやれて良かったです」

続く第23節でもスタメン出場となった矢口だが、試合開始早々の7分にマークしていた清水エスパルスのルーカス ブラガに突破を許し、シュートを決められて失点。スコアこそ0-2だが、試合内容は完敗だった。

清水戦の反省を生かして臨んだ天皇杯3回戦の試合メンバーの中に矢口はいなかった。日高がスタメンに復帰した千葉はFC東京に延長戦で2-1の逆転勝利。日高だけでなく、センターバックでプレーする佐々木翔悟、サイドハーフで起用されている岡庭愁人などスタメン争いのライバルは多い。だが、矢口は飽くなき向上心でレベルアップに取り組み続け、スタメン奪取を目指してまた這い上がっていく。


Reported by 赤沼圭子