キックオフから10分足らずで2失点。その後も失点を許し、試合終了間際に1点を返すのが精一杯。首位ターンの大宮アルディージャはシーズン折り返し初戦となったアウェイでのアスルクラロ沼津戦で、今季これ以上ない完敗を喫した。
「スコア通り。完全な力負け」
そう認めた長澤徹監督だったが、特に1失点目、「スローインからパスを約20本繋がれたノータッチゴール」が痛かったと振り返った。
「様子を見たのかもしれませんし、そこは選手と話してみないとわからない。ただ、そこから試合を通じて迷いながらプレーをしていた。ボールに対して出ていけなかったのが前半ずっと続いてたので、そこはもう少し整理していくべきだったと反省しています」
村上陽介は、ベンチから見ていた前半を受けて臨んだ後半の反省点を挙げた。
「やはりリスクをかけて潰していかないとダメだと思った。スピードのところでそんなにやられる感覚はなかったし、ヘディングや対人のところではしっかりできたと思いますが、失点しているという事実もあります。絶対に自分が守れた、最後は体を当てられたシーンだと思うので、またしっかり練習からアピールしていきたいと思います」
最後尾からチームを見ていた笠原昂史は、厳しくチームを一喝した。
「もう別に何の言い訳もない。自分たちが球際の場面を作ることなく、作り出すことなく、相手に気持ちよくボールを持たせてフリーでやらせたらああなるよね」
「アウェイということで、普段とは違う環境でスタートする中で、どうしてもネガティブな部分に目が向きがちになるのかなと僕は思った。そういうところを跳ね返せないのも、まだ自分たちの弱さ」
特にこの試合では、大宮にとってはピッチコンディションが影響したようにも思えた。それで普段の自分たちのプレーができなかった面もあるのかもしれない。だが、後半戦はすべてのチームが“打倒大宮”を掲げて挑んでくる。ピッチや天候など外的要因に左右されるような戦いぶりでは、厳しく立ち向かってくる対戦相手に勝てるわけはない。
長澤監督は、この敗戦を捉えてこう話した。
「ここからしっかり、逆に頂点を目指すチャレンジャーとしてもう一回引き締めろという意味だと思っているので、トレーニングでまた積み上げて、今日の最初のようなゴールが二度とないように肝に銘じていきたい」
笠原の言葉は響いた。
「原点に立ち返るじゃないですけど、みんながこのチームに懸けてきた集まった時の思いをもう一度思い出して、再スタートを切らなきゃいけない」
この敗戦があったからこそ――
シーズン終了後、振り返ってそう思えるような糧としなければいけない、そんな一敗だった。
Reported by 土地将靖