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【取材ノート:千葉】ディフェンスラインの統率にチャレンジ中の佐々木翔悟

2024年6月27日(木)
「いやあー、マジで(『キャプテン翼』の)日向小次郎になれなかったです。悔しい」

佐々木翔悟がそう話したのは、明治安田J2リーグの第20節の試合後だ。前から積極的にはプレスはかけず、ブロックを築いて守る徳島ヴォルティスを相手に、ジェフユナイテッド千葉はなかなかゴールを奪えずにいた。待ち望んだ先制点が生まれたのは66分。相手陣内に入ってすぐの位置でのFKによるパスを受けた佐々木は、フクアリの観客が思わずどよめくロングシュートを打った。佐々木としては、日向小次郎が得意とするタイガーショットのイメージだったようだ。


「シュートを打った瞬間、もう、これは余裕で入ったと思った。ボールが足に当たった瞬間、『これ、来たわ!』と思ったんです」

しかし、徳島のGKのホセ アウレリオ スアレスは、ゴールマウスを捉えていた佐々木のシュートに反応。手で触られたボールは少しコースが変わり、ゴールポストに当たったあとのこぼれ球に詰めた小森飛絢がシュートを決め、ゴールとなった。

「ゴールキーパーがマジでスーパーだったですね。でも、触られても押し込めないところが小次郎になりきれなかったです。これからですね。鍛えます」

シュートが決まらなかった悔しさは残るものの、結果は1-0と無失点での勝利。佐々木にとっては、自身のスタメン出場の機会というタイミングに加え、今シーズンは負傷欠場もあった鈴木大輔とスタメンで久しぶりにコンビを組んでの手応えがあった。

「大輔さんと組んで、今日はディフェンスラインの上げ下げを久しぶりにこまめにちゃんとやれたなって思いました。大輔さんと一緒にやる、やらないとでは、本当にもう1歩、2歩かもしれないけど、その動きで相手の攻撃を防げるので違うんです。距離間を狭くすれば、間にパスを刺されるのも防げると思うし、勝つためにはこれをもうどんどん続けていくしかないと思います」

鈴木大の負傷欠場時、佐々木はディフェンスラインのこまめな上げ下げをリードすることにチャレンジしている。だが、まだ思ったようにはできていない。

第21節では、スタメンと発表された鈴木大が試合前のウオーミングアップ中に負傷し、メンデスにスタメン変更となった。千葉は14分に田中和樹が先制点を奪ったものの、33分にGKの藤田和輝のキックミスもあって失点。さらに70分に栃木SCに逆転ゴールを奪われ、1-2の敗戦となった。


武器である左足のロングフィードやロングシュートでの攻撃活性化に期待がかかる佐々木だが、ディフェンスリーダーとして無失点の鉄壁守備を築くことも重要となる。佐々木の攻守両面での活躍が、千葉のJ1昇格につながるはずだ。

Reported by 赤沼圭子