「僕もまだ力が足りなかった」
連戦のミッドウィークに行なわれた天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会2回戦。J1の京都サンガF.C.と対戦した大宮アルディージャだったが、茂木力也は完敗の一戦をそう振り返った。
左ふくらはぎの肉離れで長く戦列を離れていたが、直近の明治安田J3リーグ第16節ツエーゲン金沢戦で途中出場で戦列復帰。この日は約2か月半ぶりの先発出場となった。
「試合的なコンディションもようやく戻ってきましたし、上下動もだいぶいける感覚はありました」
大宮の攻撃が左から展開することが多く、なかなかプレー機会に恵まれなかったが、左からのクロスをボックス内でヘディングで落としたり、中野克哉とのコンビネーションで崩しに掛かるなど、かつてのプレーも徐々に見られるようになっていった。
試合終盤の猛攻も実らず無得点に終わり、天皇杯は敗退となった。
「相手の強度も高かったですし、そういう中でやれたのはよかったかな」
J1相手の公式戦にそう収穫面も話してくれたものの、やはり胸の内には物足りなさが残った。
「復帰してからは、なかなかチャンスをもらえない選手と一緒に練習することが多かったのですが、もっと普段からギラギラ感というか、スタメンを奪ってやるという気持ちを前面に出していかないと。いい選手はたくさんいるけど、そういうところを表現するのはまだ下手かなと思います。今日の試合もそういうところで少し後手になってました」
特に若手が多いサブ組、いわゆるBチームの面々に苦言を呈した。リーグ戦では好調を維持し首位を独走中だが、メンバーは固定化の傾向にある。もちろん入れ替えればいいというものではないが、まだまだ半分以上を残す先を見据えれば、チーム内競争の活性化で活きのいい戦力にどんどん出てきてほしいのが本音だ。
一方でその言葉は、自分自身に向けられたもののようにも感じられた。
「今日勝てれば、みんなも自分もアピールになったと思う。1点も取れなかったし2つ失点もした。チャレンジするというところはもっともっとやれたかなと思います」
悔しさを胸に、先発メンバーの座を目指す戦いへ改めて臨む。
Reported by 土地将靖