山口から今季琉球に加入したプロ12年目のFW高木大輔。明治安田Ｊ３では開幕節の奈良戦から出場機会を得ており、続く第2節の松本戦と第4節・相模原戦で先発出場している。ゴール・アシストと明白な数字という結果はまだ残せていないが、途中出場からSHやSBに立って水を運ぶ人となったり、ロングスローの名手としての一面ものぞかせ活力を与えている。

前節の岐阜戦（△2-2）はベンチから外れたが、今節の今治戦に向けての紅白戦では周りを使ったくさびのプレーを見せ、狭い角度から際どいシュートを放つなどゴールに絡むシーンを作った。「ただの紅白戦じゃなくて、やり合うという雰囲気が僕にとっても良い刺激になっている」と、練習時から高木は実戦レベルで感覚を研ぎ澄ます。

時として敵役に徹することも。レギュラーを相手に気持ちよさを与えないプレーで苦しめたり、味方のワンプレーに対して「今の流れでそこはシュートじゃないだろ」と喝を入れることも。「サブ組がどれだけ真剣に臨むか。チームが勝つために自分は何ができるのかというのは常に考えていること。ひとつのプレーで勝敗が分かれるし、自己主張も大事だけど自分勝手なプレーでゴールを取り損ねたら勝点3が取れる試合も取れなかったり、相手に余裕を与えて点を取られ負ける可能性だってある。プレーのひとつひとつの大事さ、厳しさというのを特に若手選手たちには伝えられたらなと思っています」

自身としても「これをやっているから試合に出られるというわけではないし、まだ結果を残せていないので強烈な危機感を持っている」と念を抱く。そういった状況におかれても決して士気を下げずに常に向上心を持ち続け、準備を怠らないプロとしての心構えを注入し続ける高木大輔のハツラツとした姿は間違いなくチームに好影響を与える。

Reported by 仲本兼進