停滞したムードを払しょくする鮮烈な一発だった。天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会1回戦、福井ユナイテッドFC戦に臨んだ大宮アルディージャは、チームの中心軸、小島幹敏の待望のゴールで2回戦、京都サンガF.C.戦に駒を進めた。
強風と乾いた長い芝に苦しんだ立ち上がり。福井に決定的な場面を作られながらもしのぎ、迎えた31分だった。
大宮のカウンターアタック。右サイドバックの市原吏音から中央の杉本健勇へ、そして左サイドを上がっていく泉澤仁へとシンプルにつないでいく。そのさらに外を果敢にオーバーラップしていったのが小島だった。泉澤が縦に送ると、小島は左足を振り抜いた。
「シュートの判断しかなかった。迷わなかったのが良かったです」
小島個人にとっては、待望の今季公式戦初ゴールでもあった。これまでなかなか決まらなかったが、今季は積極的にシュートを狙っていく姿勢が感じられていた。
「(シュートの)意欲も高まっているし、感触もいい。シュートスピードも良くなってきている気がする。シュートの感覚が良くなっている感じがするから、続けたいですね」
カウンターでアグレッシブに前へ出てゴールを狙う姿勢やシュート意欲。守備でも球際でしっかりとバトルし、奪いきる場面は少なくない。長澤徹監督も「今年、彼は“キャラ変”している」とまずまずの評価だ。
「(長澤監督から)やれ、と言われているわけじゃなくて、変われるでしょう、みたいに背中を押されている感じですね。自分でももっと変われる、やれると思っているから、練習から継続したいですね」
プロ10年目の節目、小島の“キャラ変”に期待したい。
Reported by 土地将靖