5月15日の「Jリーグの日」にJ1王者・ヴィッセル神戸vsルヴァンカップ覇者・アビスパ福岡という好カードが実現した。固い守備を誇る両チームの対戦とあって、試合は我慢比べの時間が長く続いた。そして72分に試合が動く。少し下がった位置でボールを持った大迫勇也から相手DFの背後へふわっとした浮き球が供給されると、それを待ち構えていた宮代大聖が右足ボレーで合わせてゴールネットを揺らした。背後からの難しいボールをきっちりと決めた宮代について、FW出身の吉田孝行監督は「簡単なゴールではありませんでしたが、あの場面で背後をとって合わせられるのはストライカーだなと感じています」と称賛した。
このゴールでホームを死守した神戸は4連勝で首位キープに成功。宮代は3試合連続ゴールを含むチームトップの7ゴールで快進撃を支えている。左足、右足、ヘディングなどゴールのバリエーションも多彩でエースの風格が漂ってきた中で、福岡戦の、あのスーパーゴールである。大迫勇也と武藤嘉紀に次ぐ3番手という評価をここらで改めなくてはいけないのかもしれない。なぜなら、試合後コメントも異次元だからである。
「(背後からのボールに対して)一度ボールの行方から目を離して、キーパーの確認をしましたが、その時も少しだけ視野には入っていて合わせました。後ろからのボールに合わせるのは、そんなに苦手ではないのでいつも通りの感じです。ボールが良かったです」
嘘やん!と叫びたくなった。一度ボールから目を離してGKの位置を確認しているって…。これを聞いて思い出したゴールがある。2020年のJ1リーグ第3節のサガン鳥栖戦で見せたドウグラスの強烈ボレーだ。75分、山口蛍からの縦パスを郷家友太がヒールキック。それをアンドレス イニエスタがワンタッチでDF背後へ浮き球を送ると、ドウグラスがジャンプでタイミングをはかりながら左足ボレーでゴールネットを揺らした。イニエスタのパスの精度もさることながら、咄嗟に出てきた背後からのパスにしっかり合わせるドウグラスのクオリティに舌を巻いた。
シチュエーションやパスの長短などが異なるためドウグラスのボレーと比較するのは難しい。だが、宮代のこのゴールは彼が類稀なシュートセンスを持ったストライカーであることを証明したと言えるだろう。シーズン前の宮代の抱負が思い出される。「(大迫選手と)真ん中でポジション争いをします」。このコメントから宮代の自信がうかがえる一方で、“大迫の控え”のような印象を無意識に植え付けられた。だが、そうではなかった。今や大迫勇也と武藤嘉紀に並ぶ看板ストライカーである。
Reported by 白井邦彦
このゴールでホームを死守した神戸は4連勝で首位キープに成功。宮代は3試合連続ゴールを含むチームトップの7ゴールで快進撃を支えている。左足、右足、ヘディングなどゴールのバリエーションも多彩でエースの風格が漂ってきた中で、福岡戦の、あのスーパーゴールである。大迫勇也と武藤嘉紀に次ぐ3番手という評価をここらで改めなくてはいけないのかもしれない。なぜなら、試合後コメントも異次元だからである。
「(背後からのボールに対して)一度ボールの行方から目を離して、キーパーの確認をしましたが、その時も少しだけ視野には入っていて合わせました。後ろからのボールに合わせるのは、そんなに苦手ではないのでいつも通りの感じです。ボールが良かったです」
嘘やん!と叫びたくなった。一度ボールから目を離してGKの位置を確認しているって…。これを聞いて思い出したゴールがある。2020年のJ1リーグ第3節のサガン鳥栖戦で見せたドウグラスの強烈ボレーだ。75分、山口蛍からの縦パスを郷家友太がヒールキック。それをアンドレス イニエスタがワンタッチでDF背後へ浮き球を送ると、ドウグラスがジャンプでタイミングをはかりながら左足ボレーでゴールネットを揺らした。イニエスタのパスの精度もさることながら、咄嗟に出てきた背後からのパスにしっかり合わせるドウグラスのクオリティに舌を巻いた。
シチュエーションやパスの長短などが異なるためドウグラスのボレーと比較するのは難しい。だが、宮代のこのゴールは彼が類稀なシュートセンスを持ったストライカーであることを証明したと言えるだろう。シーズン前の宮代の抱負が思い出される。「(大迫選手と)真ん中でポジション争いをします」。このコメントから宮代の自信がうかがえる一方で、“大迫の控え”のような印象を無意識に植え付けられた。だが、そうではなかった。今や大迫勇也と武藤嘉紀に並ぶ看板ストライカーである。
Reported by 白井邦彦