琉球2年目のDF森侑里は今季、攻守両輪の働きを見せる。リーグ戦ではここ8試合右センターバックとして先発メンバー入りし、随所で遭遇するピンチの場面も冷静に相手のパスコースを潰しながら果敢にボールを奪いに行く姿を披露。明治安田J3第12節・讃岐戦(△0-0)に続き、前節のFC大阪戦(◯1-0)と2試合連続で無失点に抑え、守備陣の一角として仕事を果たしている。
その上でDFラインを高く設定し、裏のケアに対して細心の注意を払いつつ攻撃参加する彼の姿も顕著。高い位置で琉球がボールを握る展開となれば味方ボランチの位置まで上がり、中盤を厚くさせると同時に前線へかける攻撃の枚数を増やす形を促している。「自分は攻撃で点に絡むプレーが好きだ」と話す森が「偽CB」として躍動する姿は自然であり、攻撃に全振りする琉球のサッカーにおけるピースとして金鍾成監督も「行けるときはどんどん行ってもいい」と認めている。
大宮U18時代からセンターバックを本職に堅守を支えると共に、ビルドアップ能力を鍛えて攻撃の起点を担ってきた。「それがセンターバックの仕事」と捉えていたが、その認識が揺らいだのが筑波大時代。1学年先輩で、現在ベルギーのKVコルトレイクでプレーするDF角田涼太朗のプレーを目の当たりにし、左利きのセンターバックながらドリブルで持ち運ぶ姿が今の森のスタイルを生み出すキッカケとなり、ゴールに関わる意識レベルを増幅させている。
「枠にハマるのが好きじゃない。それが新しい形というかチームの武器になればいいなと思っています」
攻守一体のセンターバックは、難しいタスクも前傾姿勢で邁進する。
Reported by 仲本兼進