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【取材ノート:神戸】全体練習後も帰らない神戸サポ。視線の先には齊藤未月がいた

2024年3月14日(木)
明治安田J1リーグ第3節のFC東京戦を控えた3月5日。土砂降りの雨の中で行われた公開練習には、前節の柏レイソル戦を体調不良で欠場した吉田孝行監督の姿があった。「今日から復帰です。(少し痩せましたか?)いえ。食欲もめちゃくちゃある(笑)」と記者陣を和ませた。だが、この日の主役は監督ではなかった。



1時間ほどの全体練習が終わった後、ピッチを引き上げる選手もいれば、自主練習を行う選手もいた。大迫勇也や山川哲史がクロスからヘディングシュートという形を入念にチェックすれば、若手の日髙光揮や浦十藏らはビルドアップからウイングへロングフィードを送る練習などを繰り返した。それぞれの選手たちが自分の課題を見つけて実施する居残り練習は全体練習とは違った楽しさがある。いぶきの森球技場に集まったファン・サポーターも帰らずにピッチを眺めていた。

自主練習を終えた選手たちが次々とピッチを去った後、ふらっと齊藤未月が現れた。裸足でぬかるんだ芝生の上を歩き、またトレーナーと一緒にジョグを繰り返した。「左膝関節脱臼、左膝複合靱帯損傷(前十字靭帯断裂、外側側副靭帯断裂、大腿二頭筋腱付着部断裂、膝窩筋腱損傷、内側側副靭帯損傷、後十字靭帯損傷)、内外側半月板損傷」という聞いたことも無いような大怪我からここまで復帰したのかと思うと感慨深いものがあった。

集まったファン・サポーターはリハビリを続ける齊藤未月を見つめていた。奇しくも明治安田J1第2節・柏レイソル戦後の一幕だった。

Reported by 白井邦彦