清水エスパルスにとっては、今季こそ必ずJ1に戻らなければならないという重圧のかかる2024年シーズン。その大事な1年でキャプテンを務めることになった男が、昨年とは一味違う輝きを見せている。日本代表の経験もある生え抜きストライカー、北川航也だ。
静岡市内で生まれ育ち、ジュニアユースから清水のアカデミーで育った北川は、中学時代から爆発的なスピードと得点力を見せつけて別格感を示してきた。2014年に高卒でトップ昇格し、2年目の2016年にはJ2で30試合/9得点と結果を出してJ1昇格に貢献。2018年にはJ1で32試合/13得点を挙げ、SAMURAI BLUEに初選出された。
そして2019年の夏からオーストリアのSKラピード ウィーンに移籍して海外に挑戦したが、ケガ等もあって3シーズンで思うような結果を残すことができなかった。2022年6月に清水に復帰してからも、以前のようなスピード感やシャープさが見られず、2022年は10試合/1得点、2023年(J2)は33試合/4得点と本領を発揮できていなかった。
だが今季は、見た目にも明らかに身体が引き締まり、動きのキレも増した姿を見せている。練習試合や紅白戦でも鋭い動き出しやスピードでDFを引き離して決定機に絡む場面が多く、2018~2019年の頃によく見たようなプレーが増えている。
そんな今年の北川に対して、秋葉忠宏監督は次のように語る。
「いいですね。肉が好きなんだけど、我慢しながら魚中心の食事に変えて動ける身体を作ってきている。誰よりもこのクラブを愛していますし、確固たる決意みたいなものを感じるので、本当キャプテンにして良かったなと思います。元々力のある選手ですし、もう一度彼が持っているポテンシャルや輝きを取り戻して、本来あるべき姿を見せて、エースとして自分の価値を証明してほしいと思います」
今季はエースのチアゴ サンタナが抜けた中で、北川が得点を量産することができれば、J1昇格に向けて大きな推進力となることは間違いない。彼自身もそこに向けて好感触を口にする。
「身体が動くということが良いモチベーションにつながっていると思うし、ボールのフィーリング、タッチの感覚は日に日に良くなっていると思います。ただ、もっと量を増やさなければいけないし、得点も決めなければいけないと思うし、惜しいだけじゃ得点にはならないんで、そこは自分で突き詰めていきたいです」
キャプテンになったからといって丸くなるのではなく、「フォワードである以上エゴも必要だと思うし、そこはみんなも理解してくれると思うので、自分が決めるんだという気持ちを出していきたいです」と、遠慮なく彼らしさを出すことも意識している。
とくに開幕戦については、誰よりも強い想いを抱えている。昨年の開幕戦(vs水戸)で先発した北川は、開始2分に権田修一のキックから裏に抜け出してビッグチャンスを迎えたが、シュートを枠に飛ばせず、試合結果も0-0のドローに終わった。そこからチームは7試合勝ちがなく、彼の初ゴールも10節まで持ち越された。あのときの悔しさは相当なものだったはずだ。
「あの試合で2つ(決定機を)外していて、それが決まっていればまた違った結果になっていたと自分でも思っています。そのぐらい大事な試合だし、今後を左右する戦いになると思います」と強い覚悟を見せる。ただ、だからといって力が入りすぎると、ゴール前での冷静さを欠いてしまうことも理解している。
「力を入れすぎることなく、しっかりと準備して、楽しみながらやることも大切にしたいと思います」と語る新キャプテン。
彼が今のキレキレ感を開幕戦でも存分に発揮し、ゴールを狙う楽しさを味わいながらプレーすれば、結果のほうも自ずと彼の想いに引き寄せられていくはずだ。
Reported by 前島芳雄
静岡市内で生まれ育ち、ジュニアユースから清水のアカデミーで育った北川は、中学時代から爆発的なスピードと得点力を見せつけて別格感を示してきた。2014年に高卒でトップ昇格し、2年目の2016年にはJ2で30試合/9得点と結果を出してJ1昇格に貢献。2018年にはJ1で32試合/13得点を挙げ、SAMURAI BLUEに初選出された。
そして2019年の夏からオーストリアのSKラピード ウィーンに移籍して海外に挑戦したが、ケガ等もあって3シーズンで思うような結果を残すことができなかった。2022年6月に清水に復帰してからも、以前のようなスピード感やシャープさが見られず、2022年は10試合/1得点、2023年(J2)は33試合/4得点と本領を発揮できていなかった。
だが今季は、見た目にも明らかに身体が引き締まり、動きのキレも増した姿を見せている。練習試合や紅白戦でも鋭い動き出しやスピードでDFを引き離して決定機に絡む場面が多く、2018~2019年の頃によく見たようなプレーが増えている。
そんな今年の北川に対して、秋葉忠宏監督は次のように語る。
「いいですね。肉が好きなんだけど、我慢しながら魚中心の食事に変えて動ける身体を作ってきている。誰よりもこのクラブを愛していますし、確固たる決意みたいなものを感じるので、本当キャプテンにして良かったなと思います。元々力のある選手ですし、もう一度彼が持っているポテンシャルや輝きを取り戻して、本来あるべき姿を見せて、エースとして自分の価値を証明してほしいと思います」
今季はエースのチアゴ サンタナが抜けた中で、北川が得点を量産することができれば、J1昇格に向けて大きな推進力となることは間違いない。彼自身もそこに向けて好感触を口にする。
「身体が動くということが良いモチベーションにつながっていると思うし、ボールのフィーリング、タッチの感覚は日に日に良くなっていると思います。ただ、もっと量を増やさなければいけないし、得点も決めなければいけないと思うし、惜しいだけじゃ得点にはならないんで、そこは自分で突き詰めていきたいです」
キャプテンになったからといって丸くなるのではなく、「フォワードである以上エゴも必要だと思うし、そこはみんなも理解してくれると思うので、自分が決めるんだという気持ちを出していきたいです」と、遠慮なく彼らしさを出すことも意識している。
とくに開幕戦については、誰よりも強い想いを抱えている。昨年の開幕戦(vs水戸)で先発した北川は、開始2分に権田修一のキックから裏に抜け出してビッグチャンスを迎えたが、シュートを枠に飛ばせず、試合結果も0-0のドローに終わった。そこからチームは7試合勝ちがなく、彼の初ゴールも10節まで持ち越された。あのときの悔しさは相当なものだったはずだ。
「あの試合で2つ(決定機を)外していて、それが決まっていればまた違った結果になっていたと自分でも思っています。そのぐらい大事な試合だし、今後を左右する戦いになると思います」と強い覚悟を見せる。ただ、だからといって力が入りすぎると、ゴール前での冷静さを欠いてしまうことも理解している。
「力を入れすぎることなく、しっかりと準備して、楽しみながらやることも大切にしたいと思います」と語る新キャプテン。
彼が今のキレキレ感を開幕戦でも存分に発揮し、ゴールを狙う楽しさを味わいながらプレーすれば、結果のほうも自ずと彼の想いに引き寄せられていくはずだ。
Reported by 前島芳雄