前回はルーキー編として浅倉廉と前田翔茉を紹介したが、他の2人も彼らに負けない魅力を備えている。
まず中京大から加入した永田貫太は、昨年の特別指定選手3人のうちでもっとも早くJリーグデビューした。初出場は6月の第22節・秋田戦。残りわずかな時間のプレーだったが、まったく物怖じすることなく攻守に果敢な仕掛けを続ける姿は鮮烈な印象を残した。その後も同様の印象は変わることなく出場時間を徐々に増やし、即戦力であることを証明した。
おもなポジションは左右のウイングバックで、スピードや運動量も大きな武器。同様の特徴を持つ中京大出身の選手といえば……昨年夏にJ1の名古屋に個人昇格した久保藤次郎が大きな足跡を残している。2年後輩の永田は、久保の背中を見ながら4年間で大きく成長し、後を追うように藤枝入りをつかんだだけに、彼の後継者としての期待も大きい。須藤大輔監督も、大先輩に負けないポテンシャルを感じている。
「圧倒的なスピードとその量という部分は貫太の売りです。それプラス、立ち向かう姿勢というか、相手が誰であろうが『オレは飛び込んでいくよ』というメンタル的な強さがあるのは大きな強みだと思います」
ただ、彼が久保のように大きく羽ばたいていくためには、まだ足りない要素がある。久保は特別指定選手の年(大学4年時)にも6試合/2得点と数字に表われる結果を出していたが、永田はまだそれを見せられてはいない。
「特別指定で14試合も出ているのであれば、今シーズンはもう新人じゃないよというところは見せていかなきゃいけないし、数字をつけなきゃいけない。最後の一番スピードに乗ったところや圧力がかかるところで結果を出すというのはやってもらいたいです」と須藤監督は成長に期待を寄せる。
永田自身も「今年は目に見える結果を出して、チームに貢献したいと思います」と同じテーマを持つ。結果を出して自信をつかむことで、成長もより加速され、また結果につながっていく。そんな好循環が楽しみになるだけの伸びしろは、間違いなく十分に備えている選手だ。
ルーキー最後の4人目は、藤枝としては初めて高卒で加入した日本人選手=芹生海翔。まだ実戦での出番はないので未知数の面が多いが、須藤監督は他の選手にない彼の武器に注目している。
「人が見てないところとか、そこに出すかというところに左右両足からパスを出せる。ゴール前でのアイデアもあるし、ちょっと優雅な感じがあって、鎌田大地(ラツィオ)のようなタイプかなと感じます」
観ている人が「おっ」とか「えっ!」と思うようなパスやアイデアを出せるというのは、エンターテイメントという意味では非常に価値がある。それができる選手というのは、J1でも貴重な存在だ。
もちろん守備やフィジカルなどで不足する面もあるが、178cmというサイズがあり、本人も身体作りに前向きに取り組んでいる。現代のサッカーでも藤枝のスタイルでも、優雅さだけでは通用せず、アスリート能力も求められる。それを両立できる素材だからこそ、須藤監督は「ポテンシャルが超高い」と太鼓判を押す。
1年目から主力になるというのは簡単ではないが、チームとしては大学での成長を待つ必要はないと判断した。本人も「最年少らしくしっかり勢いを持ったプレーをやりたいと思います」と若さをアピールしつつ、自身の持ち味については「どんな状況でも冷静にプレーできることです」と胸を張る。
藤枝の鎌田大地と呼ぶべきかどうかはわからないが、「超攻撃的エンターテイメントサッカー」における看板役者の1人になれる逸材であることは、気鋭の舞台監督も認めている。
Reported by 前島芳雄
まず中京大から加入した永田貫太は、昨年の特別指定選手3人のうちでもっとも早くJリーグデビューした。初出場は6月の第22節・秋田戦。残りわずかな時間のプレーだったが、まったく物怖じすることなく攻守に果敢な仕掛けを続ける姿は鮮烈な印象を残した。その後も同様の印象は変わることなく出場時間を徐々に増やし、即戦力であることを証明した。
おもなポジションは左右のウイングバックで、スピードや運動量も大きな武器。同様の特徴を持つ中京大出身の選手といえば……昨年夏にJ1の名古屋に個人昇格した久保藤次郎が大きな足跡を残している。2年後輩の永田は、久保の背中を見ながら4年間で大きく成長し、後を追うように藤枝入りをつかんだだけに、彼の後継者としての期待も大きい。須藤大輔監督も、大先輩に負けないポテンシャルを感じている。
「圧倒的なスピードとその量という部分は貫太の売りです。それプラス、立ち向かう姿勢というか、相手が誰であろうが『オレは飛び込んでいくよ』というメンタル的な強さがあるのは大きな強みだと思います」
ただ、彼が久保のように大きく羽ばたいていくためには、まだ足りない要素がある。久保は特別指定選手の年(大学4年時)にも6試合/2得点と数字に表われる結果を出していたが、永田はまだそれを見せられてはいない。
「特別指定で14試合も出ているのであれば、今シーズンはもう新人じゃないよというところは見せていかなきゃいけないし、数字をつけなきゃいけない。最後の一番スピードに乗ったところや圧力がかかるところで結果を出すというのはやってもらいたいです」と須藤監督は成長に期待を寄せる。
永田自身も「今年は目に見える結果を出して、チームに貢献したいと思います」と同じテーマを持つ。結果を出して自信をつかむことで、成長もより加速され、また結果につながっていく。そんな好循環が楽しみになるだけの伸びしろは、間違いなく十分に備えている選手だ。
ルーキー最後の4人目は、藤枝としては初めて高卒で加入した日本人選手=芹生海翔。まだ実戦での出番はないので未知数の面が多いが、須藤監督は他の選手にない彼の武器に注目している。
「人が見てないところとか、そこに出すかというところに左右両足からパスを出せる。ゴール前でのアイデアもあるし、ちょっと優雅な感じがあって、鎌田大地(ラツィオ)のようなタイプかなと感じます」
観ている人が「おっ」とか「えっ!」と思うようなパスやアイデアを出せるというのは、エンターテイメントという意味では非常に価値がある。それができる選手というのは、J1でも貴重な存在だ。
もちろん守備やフィジカルなどで不足する面もあるが、178cmというサイズがあり、本人も身体作りに前向きに取り組んでいる。現代のサッカーでも藤枝のスタイルでも、優雅さだけでは通用せず、アスリート能力も求められる。それを両立できる素材だからこそ、須藤監督は「ポテンシャルが超高い」と太鼓判を押す。
1年目から主力になるというのは簡単ではないが、チームとしては大学での成長を待つ必要はないと判断した。本人も「最年少らしくしっかり勢いを持ったプレーをやりたいと思います」と若さをアピールしつつ、自身の持ち味については「どんな状況でも冷静にプレーできることです」と胸を張る。
藤枝の鎌田大地と呼ぶべきかどうかはわからないが、「超攻撃的エンターテイメントサッカー」における看板役者の1人になれる逸材であることは、気鋭の舞台監督も認めている。
Reported by 前島芳雄