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【取材ノート:大宮】熱い漢、下口稚葉。大宮でその生き様を見せる

2024年2月8日(木)


始動から約1ヶ月。それぞれの選手がチームコンセプトを理解し、戦う集団を作っていく作業が進められているが、個々の選手にとっては、その中で自身の存在をアピールしていくことも求められる。各ポジションで徐々にそうした競争が見られるようになってきた。

4-4-2のシステムで左右1枠ずつのサイドバックももちろんそうしたポジションの1つ。昨季レギュラーだった茂木力也が左右をこなせる上、新戦力もそれぞれにキャラクターを見せている。

かつて長澤徹監督の下でプレーした下口稚葉は、しかし、そのアドバンテージを明確に否定した。

「いろんな記者さんに“徹さんのサッカーを知ってる”と言われますけど、5年間離れて久々の再会ですし、僕もフレッシュな気持ちで来ているので、そういう思いは本当に一切ありません。またもう1回チャレンジするという気持ちです」

だが、本職の右サイドバックに加え、左サイドバックやセンターバックにも適応できるユーティリティー性は大きな魅力に映る。長澤監督がファジアーノ岡山で指揮を執っていた当時のシステムは3バックで、その中でも多くのポジションを務めた。

「3バックの両脇も真ん中も、ウイングバックもやってたし、ボランチもやってました。今年も求められた場所で自分の100%を出すという、それしかないと思っています。そんなにこだわりもないし、与えられた場所で全力を尽くすだけです」



下口の大宮移籍が発表された直後、昨年プレーしていたFC今治の担当記者からSNSで「チームに活力を注入できる熱い漢(おとこ)」とDMが届いた。こちらからの求めに応じて情報をもらうことは良くあるが、自発的なメッセージをいただくことはそうはない。それだけ昨年の今治でも存在感の大きな選手だったという証であろう。

「そこは自分自身に求めていることで、サッカー選手として生きていく上で大切にしていること。一人の選手として、一人の人間として自分に求めていきたい生き様だと思っています。それはどこでも変わらないし、今年は大宮で自分の持っている力を出すだけ、そういうことだと思います」

その熱いプレーに、期待したい。

Reported by 土地将靖