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【取材ノート:藤枝】藤枝MYFCの今から青田買いしてほしい選手②
ルーキー編/MF浅倉廉、MF前田翔茉

2024年1月29日(月)
前回はMF西矢健人をプッシュした藤枝MYFCのシリーズコラム第2弾。今回は地元枠としても期待される2人のルーキーを紹介したい。

1人目は、拓殖大を卒業して加入したMF浅倉廉(れん)。神奈川県出身で川崎Fのアカデミーで育ったが、高校は静岡学園に進み、2019年の高校選手権で全国優勝を成し遂げた主力の1人として県内での知名度はかなり高い。そして昨年は特別指定選手として5試合に途中出場して、能力の片鱗を示した。
そんな浅倉の最大の魅力は、やはり川崎F&静学仕込みのテクニックだ。
「スペースのないライン間でボールを受けて、たださばくだけじゃなくて、前に行く力がある。相手の急所を突くようなドリブルとかシュートというのは彼の特徴だと思います。去年特別指定で(練習や試合に)参加して強さも身についてきて、決定的な仕事ができる、数字をつけられる選手だと思います」と須藤大輔監督も即戦力として考えている。
浅倉本人も、自分の強みについて「ドリブルや技術、ゴール前でのアイデア、チャンスメイクです」と得点に関わるプレーに自信を持つ。また大舞台でも物怖じしない勝負度胸も魅力で、ピッチ外では「実はかわいいところもあります」と茶目っ気を発揮し、昨年から先輩たちにも早く馴染んでいる。
プレースタイル的に藤枝のシャドー(トップ下)にピタリとはまるのは間違いなく、「超攻撃的エンターテイメントサッカー」に輝かせる選手の1人として大いに期待できるはずだ。

2人目は、正真正銘の地元生まれ、地元育ちのMF前田翔茉(しょうま)。藤枝市内の西益津地区出身で、藤枝のレジェンドである名波浩氏(現日本代表コーチ)と中学、高校とも同じ。常葉大学(浜松市)では澤登正朗監督や山西尊裕監督の指導を受けて成長し、昨年は特別指定選手として最終節でJデビューを飾った。
浅倉ほどの知名度や実績はないが、前田の魅力は何といってもポテンシャルの高さにある。
179cmの均整のとれた体つきはまさに“アスリート体型”で、スピードやジャンプ力などバネの要素が抜群。身体能力としては、昨年7月までエースとして大活躍した渡邉りょうと似た要素を備えている。
主戦場は右ウイングバックで、脚力を生かした右足の高速クロスは「デ・ブライネみたい」と須藤監督は表現する。精度はまだ本家には及ばず今後の課題となるが、今季は前回のコラムで取り上げた中島大嘉が前線に加わり、ターゲットは申し分ない。前田が高速クロスの精度を高めて、中島が頭で強烈に叩き込むというシーンが出てくれば、それも藤枝のエンターテイメントのひとつになるだろう。
「運動量はまだ足りなくて、ガス欠になることがある」(須藤監督)という課題もあるが、伸びしろは非常に大きい。育成力にも定評のある指揮官の下でどれだけ成長し、どこまで駆け上がっていくのか。それは藤枝サポーターや地元ファンにとって楽しみでしかない。

今回はまず2人をピックアップしたが、他にも楽しみな選手が数多く加わったので、今後も機会があれば続けて紹介していきたい。

Reported by 前島芳雄