明治安田J3リーグを戦う琉球はチーム始動日となる11日、サポーターを招いて新体制発表会を那覇市内で行った。今季はDF藤春廣輝(G大阪)や六反勇治(横浜FC)ら他クラブから加入した9人と、大卒ルーキーのDF吉本武(関西大)、FW庵原篤人(静岡産業大)、そして琉球U-18からトップ昇格のMF幸喜祐心を含め現時点で29選手の陣容。昨季は2度の監督交代があるなど紆余曲折の末に17位と不振にあえいだが、指揮を執る金鍾成監督を頂点に新スタッフを招集したチーム体制がかたまり、新たな血が注入されたチームはサポーターのエールに包まれて船出の日を迎えた。
新戦力の中には過去琉球でプレー経験のあるMF岩渕良太(藤枝)が9年ぶり、DF増谷幸祐(鳥取)は5年ぶりの復帰。サポーターとの再会を果たした岩渕は「以前いたときと比べても僕自身レベルアップしていると自覚している。みんなで昇格しましょう」と力を込めてコメント。第一声「ただいま!」と、住み慣れた沖縄に帰ってきた増谷も「覚悟を持って戦います」と、決意を新たにした。
かつて「3-1で勝つサッカー」をテーマに掲げて、18年に琉球のJ3優勝とJ2昇格に導いた金監督が発する今年のパワーワードは「楽しいサッカー」。ただ勝つのではなく、見ている人たちを魅了するサッカーを示すことで県民に期待感を与えたいという思いが軸となる。ただその隣り合わせとして選手たちには厳しくて必要なタフなトレーニングを一点一画もゆるがせにせず、チーム内でしのぎを削ることを要求する。「楽しませることとは裏腹にちょっと辛い思いをしなければ人を楽しませることができない。苦労して鍛錬し、サッカーを楽しむ人たちの姿を見られるのが対価である。今日から厳しい競争が始まると思ってほしい」と、指揮官は選手へ檄を飛ばした。
今年のスローガンである「Rewind(リワインド)・琉球昇竜」のとおりに巻き返しを誓う琉球。2月に控える奈良との開幕戦に向けて臨戦態勢を整え、今年こそJ2再昇格を実現させる戦いに挑みかかる。
Reported by 仲本兼進