在籍7年目となる中、「メンバーが揃い、良いプレシーズンを送れた今シーズンはJ2昇格のチャンス」と感じていただけに、2位・鹿児島ユナイテッドFCと勝点わずか3差、クラブとして過去最高の4位でフィニッシュした結果に、ただただ悔しさが募る。
「自分たちの力で状況を変えられるチャンスが何度もありながら、物にできなかった。自ら手放してしまった。途中、チームが一つになるのが難しい時期もあったけれど、キャプテンとしてまとめきれなかったことに責任を感じます。もっとできたことがあったはず」
8月には4位と昇格争いの真っただ中にありながら、髙木理己監督(のちにAC長野パルセイロ監督)からヘッドコーチの工藤直人監督に交代するという、異例の人事もあった。選手への衝撃も小さくない中、何とか同じ方向で戦うよう、力を尽くした末の結果を受け止める。
自身は開幕前に右ひざを痛めたこともあり、今治里山スタジアムが完成して臨むシーズン序盤、欠場を余儀なくされた。その後もなかなかコンディションが上がらず、試合に絡めない難しい日々。それでもシーズン終盤、ボランチとしてタフに戦う姿を示した。
目の前でJ3優勝とJ2昇格を見せつけられた愛媛FCとの第35節、伊予決戦では、失点時にゴールを決めた松田力と激突して鼻骨を負った。ピッチに立っていたのは53分間だったが、同じ県内のライバルチームとの差を実感している。
「あの試合、愛媛FCは決して思い通りに行ってはいなかったと思う。それでも慌てていなかったし、シーズン通してそういうゲームでも勝ってきた自信が伝わってきた。どこかで松田選手が点を取ってくれるはずだとみんなが信じていて、実際、後半に松田選手がゴール。そういう部分で、自分たちはチームとして成長しきれませんでした。シーズンの結果にも表れたと思います」
チームがJ3に参入して、4年が過ぎた。“また今回もダメだったね”で終わらせるわけにはいかない。
「もしかすると、チームにもクラブにも緩みがあるのかもしれない。もっと1人1人が何を変えるべきか、どう変わるべきかを考えなければ」
今治の地で多くを経験しているからこそ、越えていくべき壁を見つめている。
Reported by 大中祐二