AC長野パルセイロは明治安田生命J3リーグ第31節で、松本山雅FCとの信州ダービーに0-1と敗れた。天皇杯長野県予選決勝とホームでのリーグ戦で2勝を挙げていたが、アウェイでの“最終戦”で今季初黒星。地域リーグ時代も含めて史上初のシーズントリプルとはならなかった。
8月末に途中就任した髙木理己監督にとっては、初の信州ダービー。観客数は12,457人を数えた。J3では今季2番目の動員数で、トップは前回対戦の12,458人。奇しくも1人差である。FC今治時代に愛媛FCとの伊予決戦も経験した指揮官は、この一戦の価値をこう示した。
「(サンプロ)アルウィンとUスタ(長野Uスタジアム)。この2つのサッカー専用スタジアムを備えていることが、信州ダービーの価値を高めているのは間違いない。そこに熱量のあるサポーターが揃っていて、歴史的背景も相まみえる。Jリーグの中でも誇っていいダービー。それは外から見ても思っていたし、中に入ってもそう思えた」
今季最後のダービーを終え、残り7試合となった。長野が15位と低迷する一方、松本は6位につける。昇格圏内との勝点差は13と6。互いに厳しい状況には違いないが、「J2に上がれば、20クラブの方がアルウィンとUスタに来る。J1に上がれば、60クラブの方にアルウィンとUスタを知ってもらえる。それだけ長野県という土地のフットボールの価値を感じてもらえる」とステップアップを望む。
長野の地に足を踏み入れて2カ月。まだ日は浅いものの、「ここで仕事させてもらっている以上は長野県を盛り上げたい」と力説する。そう感じさせるほどの魅力が、この地には詰まっているという裏付けだ。長野県のフットボールの価値を高める意味でも、髙木パルセイロは今日も戦い続ける。
Reported by 田中紘夢