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【取材ノート:神戸】4試合中3つがアウェイ決戦。8月が“リーグ制覇”の分岐点に

2023年7月27日(木)
7月が終わろうとしている。ヴィッセル神戸は台風で順延となっていた明治安田生命J1リーグ第16節の川崎フロンターレ戦を引き分け、勝点を44に伸ばして首位をキープしている。残り13試合も“この調子”を続けることができれば、悲願のJ1制覇にも手が届くかもしれない。その道程の中で8月の4試合は大きな山場となる。3試合が厳しいアウェイ戦である上に、うち一つは“鬼門”での川崎F戦。ここをどう乗り切るかがかなり重要になりそうだ。

神戸の8月は天皇杯ラウンド16から始まる。相手は前回王者のヴァンフォーレ甲府。3回戦では鹿島アントラーズを下してラウンド16に駒を進めており、今大会もすでに台風の目となっている。神戸としてはしっかり甲府を叩いて、その後のリーグ戦に勢いをもたらしたいところとなる。

第22節の横浜FC戦は甲府戦から中3日で行われる。すでにグループステージ敗退が決まっていた中で行われたルヴァンカップ最終節では1-3で敗れたものの、戦力的に見て神戸が有利と見るのが自然だろう。問題はその次の川崎F戦だ。

J1リーグでの対戦成績は8勝9分18敗で神戸の黒星が先行している。昨季はシーズンダブルを達成されている上に、川崎Fのホーム「等々力」では6勝3分12敗で神戸の勝率は0.286と低い。いわゆる“鬼門”のスタジアムだ。

ただし、7月22日の16節では川崎Fに引き分けているのも事実で、0-2から大迫勇也の2発で追いついた展開を考えると神戸の方が感触は良かったのかもしれない。ただ、前半は贔屓目に見ても川崎が完全にゲームを掌握していた。


吉田孝行監督は「前半の入りは悪くなかったが、自分たちのミスで失点し、相手が勢いづいた。一人一人の気持ちはあったが、構えている部分やいつもらしさが足りなかった」と振り返っている。結果的に前半を2失点で切り抜けたことで後半に同点に追いつけたが、もし前半に3点目を奪われていたらと考えると恐ろしい。それくらい前半は川崎Fに翻弄されていた。

あまり期間が開かない中での再戦となる第23節の川崎F戦は、前回の試合でどちらが良いイメージを持ったかも重要になるだろう。

川崎Fの鬼木達監督は「前半は自分たちらしく、自信を持っていってくれて、そして2得点を取れた。前半のうちに3点目を、と思っていたが、取り切れなかった。後半は相手の勢いを受けることなく3点目を取れればより力強いチームになる」と語った。

両監督のコメントを参考にすると、ポイントは受け身にならずに自分たちのサッカーを貫けるかどうか。神戸サイドの話では、連日のように猛暑日が続く中でハイプレス&カウンターという激しいスタイルを続けられるかどうか。等々力での川崎F戦がタイトルレースの分岐点になる可能性はある。

Reported by 白井邦彦