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【取材ノート:今治】帰ってきた千葉寛汰はシュートに全力で思いを込める

2023年7月27日(木)
再加入のリリースから、わずか3日後。FW千葉寛汰は半年ぶりにFC今治のユニフォームを身にまとい、公式戦のピッチに立っていた。

明治安田生命J3リーグ第19節。アウェイのSC相模原戦で先発すると、千葉はいきなりフル出場を果たす。今シーズン、清水エスパルスから期限付き移籍していた徳島ヴォルティスではリーグ戦8試合の出場にとどまっていたが、ブランクを感じさせないエネルギッシュな動きを見せた。


大混戦のJ2昇格争いを戦っているチームは、一つの転換点に立っている。今季チーム最多の8ゴールを挙げていたブラジル人FWドゥドゥがジェフユナイテッド千葉に、昨季、チーム最多タイの12ゴールを挙げたFW中川風希が藤枝MYFCに電撃移籍したのだ。

エース2人が突然いなくなる大ピンチに救世主となることが期待されるのが、夏の移籍期間に再び育成型期限付き移籍で加入した千葉である。昨年は22試合の出場で中川と並ぶ12ゴールをマーク。その得点力によって、シーズン最後まで昇格争いを繰り広げるチームをけん引した。

すでに自分のプレースタイルを多くの仲間が知り、自身も仲間の特徴を知っている。だからこそ、再加入してすぐの先発フル出場となった。実際、相模原戦では中川のラストパスから2度の決定機があった。だがゴールネットは揺らせず、チームは0-0で引き分けた。

「合流して、すぐスタメンで使ってもらったので応えたい気持ちだったが、(ボールが集まらず)プレー時間も少なく難しいゲームだった。昇格のためには引き分けも厳しいし、勝ちを重ねていくしかない。もっとコンディションを上げて、ゴールで貢献したい」

昨年後半の活躍をバネに戦いの舞台をJ2に移したが、リーグ戦ではノーゴールと沈黙。「悔しさをここで晴らせとリキさん(髙木理己監督)にも言われている。点を取るところを、今治のサポーターのみなさんに再び見ていただきたい」と、復活を期する。

仲間のサポート体制は手厚いはずだ。昨年の夏に今治に加入し、千葉のプレーを熟知する三門雄大は、ボランチの位置からの援護を約束する。

「寛汰はボックス内でプレーして、その特長を最大限に発揮できる選手。角度のないところからシュートを突き刺すところも見てきたし、ゴール正面から左右の足を振り抜いて決めることもできる。僕たちが、いかに寛汰までボールを運ぶか、です」

シーズン折り返しの19節終了時点で5位のチームは、昇格圏内の2位、カターレ富山まで勝点7差。ここまで8分けは、リーグ2番目の多さだ。これ以上のポイントの取りこぼしは許されない。勝利を追求するチームの先頭で、若きストライカーは再び輝きを放つことができるか。

Reported by 大中祐二