Js LINK - Japan Sports LINK

Js LINKニュース

【取材ノート:長野】ジェットコースターのような前半戦。勝負の後半戦で上向かせられるか

2023年7月27日(木)


AC長野パルセイロは明治安田生命J3リーグの前半戦を15位で終えた。第7節、第10節と2度の首位に立ったが、第10節以降はクラブワースト記録となる9試合勝ちなし。シュタルフ悠紀監督の言葉を借りれば、“ジェットコースター”のようなシーズンを過ごしている。

「開幕戦は良くて、(第2節)愛媛戦も後半アディショナルタイムまでは良くて、CKから追いつかれて。(第3節)奈良戦は最初からダメダメで、(第4節)富山戦はまた良かったけど最後に追いつかれて。一個のゲームでもこんな(ジェットコースターのような)感じはある。そこから吹っ切れて何ゲームか勝ったけど、首位に立っての(第7節)福島戦では2-0から急降下して、2-3に突き落とされてしまった」

そう指揮官が話すように、一試合ごとの波も小さくない。それでも結果がついてきたのは幸いだったが、第10節で松本山雅FCとの“信州ダービー”に勝利して以降は、白星から遠ざかり続けている。一時は首位に立っていた順位も、気づけば15位。とはいえ指揮官は「ネガティブな印象が上回っているかもしれないけど、トータルで言うとポジティブな印象のゲームのほうが多い」と前を向く。

「自分たちのフットボールではポジティブな要素が多かった。若手も非常に成長しているし、天皇杯でも県代表になったり、15年ぶりにダービーで勝ったり。一時は得点数も1位だったし、いろんな人が点を取れている。全然立て直せると思うので、良い要素をしっかり後期に繋げて、あとは悪い流れさえ断ち切れれば」

“リハビリ期間”と位置付けた前半戦のラスト2試合は、いずれもドロー。負の連鎖を完全に断ち切ることはできなかったが、前節・岐阜戦の後半は自分たちの時間も多く、「次に繋がる後半だった」(シュタルフ監督)。選手からもポジティブな声が多く聞かれ、気持ち新たに後半戦を迎えられる。

24日には東京ヴェルディから加藤弘堅の完全移籍加入を発表。ベテランDF砂森和也が愛娘の看病によって活動休止を余儀なくされた中で、J通算364試合出場を誇る34歳には、精神的支柱としても期待がかかる。

加藤の経験値も力に変え、後半戦でジェットコースターを上向かせられるか。「次に首位になった時はもう明け渡すつもりはない。そういう強さを身につけた上で、最後に首位を奪って有言実行したい」と指揮官は強気だ。まずは今週末、ホームに最下位のSC相模原を迎える。前半戦で勝利した相手にシーズンダブルを飾り、反撃の狼煙を上げたい。

Reported by 田中紘夢