7月1日の明治安田生命Ｊ１リーグ第19節ホーム札幌戦がヴィッセル神戸でのラストマッチとなるアンドレス イニエスタ。6月28日の公開練習では美技を連発し、集まったファンクラブ会員たちを沸かせた。

イニエスタにとっては神戸での最後の公開練習。「いぶきの森球技場」には感謝の意を伝えようと186人のファン・サポーターが集まった。

この日は元神戸の古橋亨梧と小林友希（ともにセルティック）がサプライズで練習に参加。首位争いを演じている神戸について古橋は「（練習に参加して）すごく調子がいいと肌で感じましたし、自分もいい刺激をもらいました」と感想を述べた。また、イニエスタに関しては「駆け引きの面など自分の能力を伸ばしてもらった。感謝しています」と、ともに戦った日々を懐かしんだ。


イニエスタ加入当時、神戸U-18所属だった小林は「いぶきの森球技場で出迎えたのを今でも覚えています。あの時は、うわぁ本物や～と思いました（笑）」というエピソードを披露してくれた。そして「ヴィッセルで彼のプレーが見られる（可能性がある）のは札幌戦が最後。しっかり見届けたい」と目を細めた。

公開練習の前にはイニエスタがファン・サポーターに挨拶した。「チームは素晴らしいシーズンを過ごしています。みなさんがこのシーズンを楽しんでいただけることを願っています。チームが目標を達成するためには、みなさんの応援が欠かせないのでこれからも応援をお願いします」


練習ではフィジカルトレーニング、ボール回し、6対6（4分×3本）などのメニューを精力的にこなした。特に6対6では相手の逆をつくトラップや針の穴を通すような正確なパス、華麗なヒールキックなどで会場を沸かせた。それを吉田孝行監督は見つめていた。


勝っている時にメンバーをあまり変えたくないという方向性を考慮すると、イニエスタが札幌戦にスタメン出場するのは難しいだろう。また、Ｊ１第15節のFC東京戦では3-0で前半を折り返しながら、59分に1点を返されたことでイニエスタに出番が回ってこなかった例もある。たとえ、神戸でのラストマッチでも試合展開によってはイニエスタが出場しない可能性もあるだろう。公開練習を見る限り、イニエスタの準備は整っている。あとは彼が試合に出られるようなシチュエーションになることを祈るだけだ。

Reported by 白井邦彦