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【取材ノート:長野】連敗が続くシュタルフ長野。初勝利の地できっかけを

2023年6月22日(木)


クラブ史上初となる1シーズンで2度の首位に立つなど、快進撃を見せていたAC長野パルセイロだが、それとは一転して苦境に立たされている。明治安田生命J3リーグ第10節で、松本山雅FCとの信州ダービーに勝利して以降、公式戦5連敗。リーグ戦では史上初の4連敗となったが、そのすべてが1点差なだけに、余計にもどかしい状況だ。トンネルの出口は見えている中、今節はシュタルフ悠紀監督体制で初勝利を飾った地へと向かう。

2022年3月13日。明治安田生命J3リーグ開幕戦をアウェイ・ミクニワールドスタジアム北九州で迎え、ギラヴァンツ北九州に2-0と快勝した。押され気味の前半を無失点で耐え凌ぐと、後半にサイド攻撃から2点を奪取。J2から降格してきた北九州に対し、盤石の試合運びを見せた。その後のスタートダッシュこそ叶わなかったが、あの試合が周囲に期待を抱かせるきっかけとなったのは間違いなかった。

連敗が続くいまも、期待感が失われたわけではない。前節のホーム・鹿児島ユナイテッドFC戦では、信州ダービーとホーム開幕戦に次ぐ3,350人の観衆が駆けつけた。惜しくも終盤の失点で1-2と敗れたが、オフ明けのトレーニングでも約50名のファン・サポーターが見守るなど、暖かい眼差しが感じられる。


「ブーイングされてもおかしくない状況で、ブーイングせずにポジティブな声かけをしてくれるし、僕のSNSにも『こういうときこそ元気を出してやっていこう』というコメントが来ている。本当に味方でいてくれるというか、近くで応援してくれているので、そういう人たちを笑顔にしないといけない」。チームの元気印である杉井颯は、そう笑みを浮かべる。

幸か不幸か、この状況で初勝利の地に飛び立つこととなった。中6日の北九州に対し、長野は中5日。なおかつロングアウェイで、九州独特の蒸し暑さにも順応しなければならない。環境的には不利かもしれないが、「みんなも良いイメージがあると思うし、そこで一つ勝って波に乗るのが大事」と杉井は言う。

シュタルフ監督は連敗中、「サポーターの応援の質はNo.1だと思うので、それに早く追いつかないといけない」と何度も話していた。今節はサポーターの数も限られるだろうが、昨季の開幕戦で抱いた高揚感を誰も忘れてはいない。始まりの地で再び勝利をつかみ、快進撃のリスタートとなるだろうか。

Reported by 田中紘夢