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【取材ノート:長野】3連敗で迎える天皇杯。イニエスタら擁する神戸に挑む

2023年6月13日(火)


クラブ史上初となる1シーズンで2度の首位に立つなど、ここまで快進撃を見せているAC長野パルセイロ。明治安田生命J3リーグ第10節では松本山雅FCを下し、リーグ戦初となる信州ダービーでの勝利も手にした。しかし、その後はまさかの3連敗。再浮上のきっかけをつかむべく、14日にミッドウィークの天皇杯2回戦を迎える。

相手はJ1のヴィッセル神戸。第2節から第16節まで首位をキープするなど、長野と同じく快進撃を続けてきた。前節はセレッソ大阪との阪神ダービーに敗れ、16試合ぶりの首位陥落。こちらも仕切り直しの天皇杯となる。

長野はリーグ前節から中2日ということもあり、大幅なメンバー変更が予想される。一方の神戸は前節から中3日で、なおかつ本拠地開催とアドバンテージがある。週末にはルヴァンカップのグループステージ最終節を控えているが、すでに敗退が決定。天皇杯にベストメンバーで臨む可能性も否定できない。

長野の選手に話を聞くと、やはりイニエスタの出場を渇望する声は多い。それはサポーターも同じだろうが、相手にベクトルを向けている場合ではないのも事実。リーグ戦での再起に繋げるためにも、これまで出場機会が少なかった選手の活躍は欠かせない。松本でJ1を経験した大野佑哉が「久々に高いレベルの選手と本気の勝負ができる」と闘志を燃やせば、2021年の天皇杯2回戦・川崎フロンターレ戦に出場した髙窪健人も「あのときは何もできずに終わってしまった。同じJ1の相手なので、出場機会があればゴールを取りたい」と結果に飢えている。

2年前の川崎F戦は、リーグ戦8試合勝ちなしの状況で迎え、サブ組中心のメンバーでPK戦まで持ち込んだ。惜しくもジャイアントキリングとはならなかったが、大善戦が起爆剤となり、その後のリーグ戦で4連勝を記録。9試合で6得点と苦しんでいたチームが、4試合で15得点と爆発した。

その経験があるからこそ、森川裕基は「一つのきっかけで変わることはある」と話す。今回の神戸戦も、そういったきっかけとなり得る試合。当初は7日に開催予定だったが、神戸とFCバルセロナの親善試合開催に伴い、14日に日程が変更された。それに対して賛否両論は巻き起こったが、ポジティブに捉えるとするならば、この日唯一の開催となったことで注目度が増している。2015年の天皇杯2回戦で0-5と大敗した相手に、8年越しのリベンジとなるだろうか。

Reported by 田中紘夢