大型連休での明治安田生命J2リーグ3連戦を終え、続く第15節からの3連戦へ向けて束の間の休息を取った大宮アルディージャ。オフ明け5月10日の練習が急遽非公開となったことから、SNSなどでは様々な憶測が飛び交っていた。6連敗。J2では2003年以来となるワーストタイのクラブ記録である。“憶測”も不思議ではない。
10日は相馬直樹監督の意向で、戦術面での取り組みを行なうために非公開にしたということだった。それほどに第14節徳島ヴォルティス戦、ことに前半は惨憺たるものだった。あの試合を見れば、戦術的な方向性を変えるにしろそうでないにしろ、何らかの手を打つ必要があるとは誰もが思いつくことだ。
それは、選手も同じだ。徳島戦後、一番最後にミックスゾーンにやってきた茂木力也に「やられちゃったね」と一声掛けると、3分以上にわたって原因と課題を話し続けてくれた。まるで、思いの丈を吐き出すかのように。
「特に前半は、行くのか行かないのか守備をはっきりできなかった時間もありました。攻撃も、蹴るのかつなぐのか、両方中途半端な時間もあった。そこが中途半端だと結果は出ないと思いますし、特に今、負けが続いているときにはっきりしないのは一番良くない」
要約するとこのような感じである。天候、特に風の影響はあっただろう。それにしても、3バックに対するプレスは整理されておらず、早々に先制を許したことで狙いとしていた最終ラインの裏は消されてしまった。為す術がない、といった前半だった。
後半は、徳島のアンカー白井永地にアンジェロッティをほぼ密着マークさせることで、徳島の中央へのパスコースを封印。徳島がサイドに出さざるを得なくなったところを狙っていった。残念ながら先に3点目を失ったことで試合は決してしまったが、やればできるじゃないか、という思いが沸き立ち、同時に、なぜこれが前半からできなかったのか、と悔しさも溢れた。
「(ピッチの)外からゲーム中に変えるのは難しいかなと思う」
そう前置きし、言葉を続けた。
「選手は(指示がないと動けない)ロボットじゃない(笑)。選手が中でやらなきゃいけないことなので、もう僕は思い切ってやろうと思います。サッカーは、ベースはあるけど必ず余白の部分があるので、そこは選手の判断だと思いますし、逆にそれがなくなったらプロでやってる意味もない。それをどうできるかでチームの結果は変わると思いますし、上を目指すには誰かがそういうのをやらなきゃいけない。ピッチの中で多少厳しく何か言って、周りにどう思われても、結果が出れば何ともない世界だと思うので、そこは頑張りたいと思います」
まるで自身に言い聞かせているような、強くはっきりとした口調だった。
第15節からは再び3連戦となり、連戦に入ってしまえばコンディショニングが優先され、戦術面で大幅な修正は難しくなる。ファジアーノ岡山戦に向けたこの準備期間が非常に大切になるのだ。
ピッチ上で11人が迷いなく走る、蹴る、そして闘う――そうした試合が見られるようになることを願うばかりだ。。
Reported by 土地将靖